FILE30:笠美と謎の少女を尾行せよ『後編』
カフェから出たスゥ達4人は、雄也と謎の少女を尾行していた。
よく見ると、少女は腕を雄也に絡めている。
「2人共、良い感じじゃないですか。」
葉平が微笑みながら言った。
「そやな。」
雅子も微笑んでいる。
「・・・」
スゥが顔をしかめているのを見て、篤子が話しかけてきた。
「どうしたの、スゥ?さっきから顔が怖いよ?」
篤子の言葉に、スゥはハッとした。
「わ、悪い・・・彼女、どこかで見た気がして・・・つい、な。」
「フゥン。」
スゥの言葉に篤子が素っ気なく返事する。
スゥ達が尾行している事に気づいているのか、雄也は速度を急に上げた。
「あ、速度を上げた。」
「気づいたんでしょうかね。」
「見失わないよう追うで!」
スゥ達は、見失わない程度について行った。
しばらく買い物やら何やらをして、雄也と少女は公園に着いた。
「ここがあなたのお気にの場所なの?」
少女が聞く。
「ああ。疲れた時は息抜きに来てるんだ。」
「そうなの・・・ねぇ!携帯の番号交換しない?」
「番号?」
「うん。また連絡取りたいし。」
「そうだな。わかった。」
雄也と少女は番号を交換した。
「じゃあ、私はもう帰るから。」
「ああ、また会おうな。」
少女は足早に去って行った。
「さて、と。」
雄也は茂みの方をにらんだ。
「出て来なよ、みんな。」
雄也が言うと、スゥ達が茂みから出て来た。
「タハハ、やっぱバレてたか。」
「当たり前だよ。バレバレだったし。」
「それにしても、スゥが言ってたどこかで見た気がするって言葉・・・妙に気になるわね・・・」
スゥ達は、うなずきあっていた。
「ウフフ・・・面白くなりそうだわ。」
あの少女が、自宅で不敵に笑っていた・・・
果たして、少女の正体とは・・・?