FILE27:ファースト・コンタクト(最初の出会い)『4』
「見つかったのか、凶器が!?」
「いいや。凶器はもう、この世のどこにもない。ボクが見つけたのは、昔凶器だった物の成れの果ての姿だよ。」
「良いから早く話せ!!」
「良いでしょう。初めから説明します。この部屋には争った形跡がない。つまり、顔見知りの犯行だ。そして犯人はカギを掛け、ドアの影に隠れた。」
「でも、その時既に犯人は証拠の隠滅をしてたのよ。」
「そう、犯人が凶器を隠した場所・・・それは、あのポットの中だ!ご覧の通り、カップには湯気が立っている。それなら当然このポットの中には、熱々のお湯のハズだ!誰もぬるい紅茶なんか飲みたくない。ところが・・・」
チョロロ・・・
「水・・・?」
「そう!でも、良く見てご覧よ。」
「赤い!?赤い水だ!!」
「鑑識に回せばわかるだろうけど、おそらく血だね、これは。ここで問題!ポットのお湯を水に変え、さらに消えてしまう凶器とは何か?」
「氷か!?」
「ご名答!でもそんな物、冷蔵庫には入ってなかった。」
「そ、そうだ!入ってなかったぞ!!」
「そう!犯人は冷蔵庫を使わなかった。」
「イヤ、使えなかったんだ!凶器をみんなの目に触れるような場所に置くほど、この犯人はバカじゃない。他に氷を保存する方法といったら何だろうか?」
「う〜ん、他にはクーラーボックスぐらいしか・・・クーラーボックス!?」
「そう!!犯人はあなただ、孝三さん。」
「・・・」
「孝三さん、あなたここに釣りをしに来たんでしたね。」
「孝三、あなた・・・」
「そんな!クーラーボックスを持ってたぐらいで・・・ちがう、オレじゃない!ガキの推理なんかにだまされるな!!」
「鍵岡警部シリーズ第13作・・・消えた凶器の謎・・・今回と同じ、氷を使うたトリックや。たぶん、孝三さんのカバンの中にでも入ってるんや。」
「うわぁぁぁ!!父さんが遺産を寄付するなんて言うから・・・オレにはどうしても、金が必要だったんだぁ!!」
「良く思い出したな、真古!」
「全巻読んでるて言うたハズやで。」
「自分で考えたトリックで殺されるなんて、かわいそう・・・」
「これより、容疑者を連行いたします。明日岡警視正!!」
「・・・ごくろう!」
「ホームズ、お礼に今度昼食でも奢ってやるぜ!」
警視庁捜査秘密課の特殊捜査チーム。
その推理力は天才的と言われている。
だが、彼らの存在を知る者は少ない・・・