FILE21:最初の依頼『6』
オレが必ず、この事件を解き明かす・・・
そう心に決めたオレだったが、わからない事が多すぎる。
何だって、事故死に見せかける必要があったんだ?
それに、被害者が握っていたこの本・・・
何か意味があるのか・・・?
まぁ、何か意味がなければこんな物を握るワケがないか・・・
オレはそう思いながら、その本を手に取った。
パラパラとページをめくっていたオレだったが、あるページで手が止まった。
「ん!?(何だ!?この血は・・・既に乾ききっている・・・)警部!」
「何だね、スゥ君?」
「この血痕のDNAが誰なのか、大至急調べてくれ。と、その前に・・・青木!」
オレは青木を呼んだ。
「何や、明日岡君?」
「このページに記されている物を瞬間記憶で記憶しといてくれ。これから警部達にこの本を調べてもらうから、しばらく触れなくなる。」
「オッケー、任しとき!」
そう言うと、青木はマンガを食い入るように見つめた。
「終わったで。」
「早っ!!」
「ウチの瞬間記憶は、一瞬見ただけで全部覚えられるんや。」
「そ、そうなんだ・・・じゃあ警部、頼みます。」
「わかった。」
中嶋警部は、部下と共に部屋を出ていった。
さて、オレにもやる事があるな。
オレはカギが隠れていたノートをくまなく調べた。
しかし、どこも変わったトコはない。
あれ?
このノート、やけに裏の厚紙がしっかりしているな・・・
待てよ?
確か前に某有名マンガで読んだぞ!
これと全くよく似た状況を!!
確か、確か・・・
オレは少し考えると、不適な笑みを浮かべた。
そうか、わかった!
やっと思い出したぞ・・・
なーるほどね・・・
そういう事だったか・・・
だったら、あの本で血がついていたページの意味は・・・
「青木!血痕がついていたページには、何て記してあった?」
「ん?確かなぁ・・・」
青木からページに記してあった物を聞いた事で、全ての複雑な糸が1本につながった。
やっと解けたぜ!
この事件のトリックがな!
後は、警部からの鑑定結果を聞くだけだ・・・
あれ?
そういえば、綾小路はどこに行ったんだ・・・?
オレは辺りを見渡した。
い、いない!
消えてやがる!
まさか、犯人が!?
そんな事を考えていると、警部が戻って来た。
警部から鑑定結果を聞き終わったオレは、即座にある場所目指して走り出した・・・