FILE18:最初の依頼『3』
オレが部屋で考え込んでいると、散歩に出ていた篤子が戻って来た。
どうやら、夕食の用意ができたらしい。
しかし、オレは考えたい事があったため、『食事は部屋に持って来させてくれ』と篤子に頼んだ。
すると、篤子も部屋で食べると言い出した。
その事を伝えに行かせたオレは、少し考え込んでいた。
怪盗鳳鴉・・・
ヤツの目的は、一体何なんだ・・・?
考えていても推理が全く進まない。
しょうがねぇ。
とりあえず、夕食を食べてからにするか・・・
持って来てもらった夕食を食べた後、オレと篤子は妙に眠くなった。
別に料理に睡眠薬が入っていたとか、そういうものではない。
ただ単に寝たくなっただけだ。
そんなワケで、オレと篤子は眠りについた。
朝早く起きて、食堂に行ったオレ達だったが、何だかあわただしい。
綾小路によると、父親がまだ部屋から出て来てないらしい。
ったく、つくづく世話の焼けるオヤジだな・・・
オレ達は、綾小路の父親を起こしに向かった。
そして、起こしに行った部屋で衝撃的な事が起こった。
なんと、厳重に密室にされた部屋の中で、綾小路の父親が後頭部を殴られ倒れていたのだ。
って言っても、カギが掛かっていたのでオレが窓から中をのぞき込んだのだが。
ドアをブチ破り、オレは綾小路の父親の元に歩み寄る。
篤子達が、彼はどうなったのかと聞いてくる。
オレは脈を確認すると、静かに首を横に振った・・・