FILE17:最初の依頼『2』
オレ達は執事らしき人に案内され、綾小路邸の中を歩いていた。
「うわ〜、中も広いわね〜・・・」
篤子の率直な感想だ。
「小生のデータによると、彼女は綾小路財閥のご令嬢で、とても父親にかわいがられているそうですよ。」
葉平がメモ帳を開きながら言う。
「そうか。通りで横柄な・・・」
「ウチの嫌いなタイプやな・・・」
どうも雅子は、綾小路のようなタイプの女が嫌いらしい。
気持ちはわからなくもないのだが・・・
そんな事を言ってる間に、一番重要だと思われる部屋に着いた。
オレ達は中に入っていく。
「これが予告状です。」
執事さんから予告状が手渡される。
オレ達は予告状を注意深く読んだ。
『明日夜8時、
翠色・金色・
紅色・純紺色の宝石を
頂きに参上する
怪盗鳳鴉』
見たところ特に普通の予告状と変わらないが、気になったのは差出人の名前だ。
「怪盗・・・鳳鴉?」
『おおとりがらす』というのが読み方だろう。
やけにけったいな名前の怪盗だな・・・
オレの第1の感想はそれだった。
オレ達は泊まり込んで警備を手伝いをするため、それぞれ泊まる部屋を用意された。
部屋割りは、
オレと篤子
葉平と雅子
哀と雄也
である。
とりあえず、守ればいいんだ、守れば・・・
何も起こらない事を祈ろう・・・
オレはそう思ったが、何かが起こるのが事件というものだ。
その時は信じられなかった。
まさか、あんな事が起こるとは・・・