FILE16:最初の依頼『1』
そんな事を話している間に、オレ達は校長室に着いていた。
落ち着け・・・
オレ達は何もしていない!
普段通りにしていれば何も問題は・・・
ないのか・・・?
いざ・・・
意を決して、オレは校長室の扉を開けた。
「待っておったよ、浜谷篤子君、笠美雄也君、畑中葉平君、青木雅子君、朝霧哀君、明日岡スゥ君・・・どうした?」
校長が不審に思うのも無理はない。
オレ達全員、緊張しすぎてカッチーンと固まっているからだ。
「あの・・・オレ達何か悪い事しましたっけ・・・?」
「とんでもない。君達はむしろほめられる方だよ。逃走中だった銀行強盗を逮捕したんだからね。」
「ハ、ハハ・・・まぁその通りですが・・・」
「そこで・・・だ。君達には他のグループより先に任務を与えようと思う。お金持ちのある家に脅迫状が届いたのだ。君達にはその家の警護、並びに犯人逮捕を努めてもらいたい。できるかね?」
「はい、もちろんです!!」
やっとこの学校らしくなったか・・・
そんなワケで、オレ達は依頼人の家に向かう事となった。
「ここが依頼人の家か・・・大きいな・・・」
「でもこの家の表札に書いてある名前、どこかで見たような気がするのですが・・・」
「どこで見たんやろ?」
「ふぁ〜、今日も1日疲れましたわ・・・って、どうしてあなた方がここにいますの?」
「え?」
振り向いたオレ達の目線の先にいたのは、なんと・・・
「綾小路!?なんでオマエがここにいる!?」
「なんでって・・・ここは私の家ですわよ。」
「へ?」
オレ達は表札をよく見てみた。
『綾小路』
ああ、そういう事ね・・・
ああ・・・
またなんか事件が起こる気がしてきた・・・
これも探偵のカンなのか?
そう思いながら、オレ達は綾小路家に入っていった。