FILE13:消える仲間達・3
「笠美に続いて、畑中と青木まで消えた・・・篤子・・・これから先は、絶対にオレの手を放すなよ!」
「うん・・・わかってる・・・でも・・・もし危ない目にあったらどうしよう・・・」
「大丈夫だって!何かあったら・・・」
「うん!アタシ、心配なんかしてないよ・・・いざとなったら、スゥが守ってくれるもんね!」
「あ、ああ・・・まぁ・・・」
「アタシは、スゥのそんなところが好きになったんだよ!」
「ったく・・・そういう恥ずかしい事平気で言うなよな・・・」
「ウフフ・・・」
その時、ヒンヤリと冷たい空気が流れてきた。
「う・・・寒い・・・トイレに行きたくなっちゃった・・・」
「じゃあ、トイレの前で待っててやるよ。」
スゥはトイレのドアの横に立ち、篤子が出てくるのを待った。
しかし、いつまでたっても篤子は出てこない。
スゥはてっきり、篤子のトイレが長いだけだろうとタカをくくっていたのだが・・・
数秒後、その安心感は打ち砕かれてしまった。
「キャアアアア!!」
「篤子!?」
トイレの中から、篤子の悲鳴が聞こえてきたのだ。
「し、しまった!!」
スゥがトイレに乗り込んだ時には、篤子の姿は影も形もなくなっていた。
「チクショウ・・・!!」
スゥは拳をふるわせたが、すぐに落ち着いた。
なぜなら、篤子が入ったと思われるトイレの壁が、少しだけズレていたからだ。
「もしかして、これは・・・」
スゥは長年の感から、すぐにその壁が隠し扉だとわかった。
ガコッ・・・
「やっぱりな・・・」
スゥが思ったとおり、その壁の裏には空間が広がっていた。
ペンライトをつけてみると、うっすらと階段が見えた。
「・・・って事は、だ・・・」
スゥはある事を確信し、あの場所へと向かった。