FILE12:消える仲間達・2
スゥは笠美が消える直前までかけていたメガネをつかみ、歯ぎしりした。
「笠美君、いったいどこに消えたの・・・?」
「今の段階では、まだ何とも言えませんね・・・」
「とにかく、ここから先は2人で行動するしかない。篤子、オレから離れるな。」
「うん。」
「青木さんも、小生から離れないように。」
「わかった。」
「じゃあ、また後で落ち合おうぜ。」
「無事に再会できる事を祈ります。」
「じゃあね。」
畑中と青木は、そのまま走っていった。
「ねぇ、スゥ・・・」
「ん?」
「笠美君、無事だよね?」
「あったり前だろ!そんな簡単に人が消えてたまるか!!」
「そうだよね・・・」
「笠美もそうだが、朝霧の行方もまだつかめてない・・・」
「いったい、どこにいるんだろうね。」
すると、その時・・・
「うわぁぁぁっ・・・」
「キャアアアッ・・・」
遠くから悲鳴が聞こえてきた。
「今の、畑中君と雅子ちゃん!!」
「や、やられた!!」
スゥと篤子は走り出した。
「畑中のクツ・・・」
「雅子ちゃんのもあるよ・・・」
「くそっ!!」
スゥは拳を床に打ちつけた。
「チクショウ・・・」
「とうとう、アタシ達2人だけになっちゃったね・・・」
「ああ・・・篤子。絶対に・・・オレから離れるな。」
「うん・・・わかった・・・」
スゥは篤子の腕をつかみ、足早に走り出した。
その後ろで、何者かが密かに彼ら2人を監視していた・・・