FILE10:疑惑の朝霧哀!?
「じゃあ、本日はここまで!探偵はいつ事件に遭遇するかわからんぞ。気を引き締めておけ!」
「はーい!!」
「それでは、解散!!」
そして、下校の時間になった。
「スゥ、スゴかったよ!あんないい名前、よく思いついたねー!」
「あ、ああ・・・あれはたまたま・・・」
「たまたまにしては、なかなかよかったと思いますよ?」
「そやね!」
「だな!」
「そういや、最近物騒な事件が増えたなぁ・・・」
「うん、ネットでさんざん叩かれて、挙げ句の果てに人殺しちゃった人とかいるってニュースで聞いたよ。」
「小生ね、思うんですが・・・叩く方も悪いと思うんですが、それに逆上して殺人を犯す人はもっと愚かだと思うんですよね。」
「そやね、けっきょくケンカ両成敗やろ・・・」
「オレは、ちがうと思うんだ・・・どんなに理由があろうとも、人を殺めるのは悪い事だと思ってる。だからこそ、オレ達が事件を解き明かさなきゃいけないって思うよ。」
「うん、スゥの言う通りだよ!」
「同感!!」
笠美、畑中、青木が、同時に返事をする。
スゥは、少し微笑んだ。
「そういや、朝霧はどうした?」
「そういえば、授業が終わった後そそくさと帰っちゃったけど・・・」
「なーんか、怪しいな・・・」
「ヤツの事、少し探ってみないか?」
「課外授業ってワケですね。小生は賛成ですよ。」
「ウチも!」
「そんじゃ、そろそろコイツの出番だな。」
スゥはそう言って、一冊の本をカバンから出した。
「コイツはオレのじいちゃんが昔作ってくれた、本型追跡装置だ。アイツの事が気になって、今日アイツを引っ張った時にビー玉型発信機をズボンに入れといたんだ。」
スゥは本型追跡装置を開き、スイッチを入れた。
ピポッ・・・
「ここから5キロ先の廃墟病院にいるな・・・」
「じゃあ、早くそこに行こう!」
篤子達は、次々に走り出していく。
スゥは少しだけ不安を感じながら、篤子達の後を追った・・・