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帰還者《リターナー》は平穏に暮らせない  作者: 幽霊@ファベーラ


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6/8

5話目


 ニンジャ400を15分ほど走らせて塚地の指定した場所……今は営業時間外の小さな医院まで来ると、綾子は涼介を伴って中へと入っていく。

 中は非常灯が灯ってはいるものの、薄暗く人気は無かった。

 そんな薄暗い中を進んで行くと、明かりの点った部屋が直ぐに視線に飛び込んで来た。

 その部屋へ赴くと、其処にはベッドに横たわる涼介が両膝を撃ち抜いた芦屋と呼ばれた青年の姿と塚地の姿があった。

 涼介はそんな2人を見ると、当然の如く尋ねる。


 「何で、ソイツが居るんだ?てっきり、どっかで拷問してると思ったんだが?」


 当然の問いが投げ掛けられると、塚地は涼しい顔で答える。


 「あぁ、彼は俺が()()()()()()()()()だ」


 予想外とも言える答えが返って来ると、涼介は申し訳無さそうに芦屋に尋ねる。


 「謝った方が良い?」


 その問いに対し、芦屋と呼ばれた平然と告げる。


 「謝らなくて良い。お陰で疑われる事無く回収された」


 彼が平然と謝罪の必要が無い事を告げると、塚地は綾子に依頼する。


 「すまないけど、彼の両脚を元通りにして欲しいんだ。ほら、真っ当な方法だと色々面倒臭いし、時間も掛かるからさ?」


 そんな依頼を受けると、綾子はソレに応える様にベッドの前に赴くや、魔法の力で治療を始めた。

 綾子が治療をするのを目の当たりにすると、涼介は「魔法ってなデタラメ過ぎるだろ?」そうボヤいてしまう。

 涼介と綾子を尻目に塚地は芦屋に問う。


 「さて、現時点に於ける君が知り得た情報を聞かせてくれ」


 「情報に関しては大きな変更点はありません。俺と俺が組まされた妖魔のチーム以外に4つのチームが水面下で活動を続け、生贄を集めています」


 芦屋が答えると、塚地は次の質問を投げた。


 「奴の居場所は?」


 「残念ながら具体的な場所は掴めてません。奴との遣り取りは電話で指定された場所へスマホ等の電子機器は持たずに赴き、其処で指示が下されます。それに指定される場所もバラバラでして……申し訳ありません」


 申し訳無さそうに報告されると、塚地は気にしない様に告げた。


 「其処は予想の範疇だから気にしなくて良い、君のミスではないよ」


 「そう言って貰えると助かります」


 件のイケオジの居場所は未だ掴めずにいる。

 ソレを知ると、涼介は芦屋に尋ねた。


 「奴は生贄を集めさせて何するつもりだ?」


 「恐らくですが、何かしらの降臨を狙ってると思われます。でも、生贄とするならば、死体にする必要は無い筈なんですが……」


 芦屋が具体的な事を言えずに申し訳無さそうにすると、今度は綾子が尋ねた。


 「ねぇ、貴方達が使ってた様な別の連中が利用してる拠点は解る?」


 「それなら解ります」


 「マー君、都内の地図を用意して」


 その言葉が告げられると、塚地は待ってましたと言わんばかりに都内を網羅する地図帳を差し出す。

 ソレを受け取ると、綾子はペンを出して芦屋が居た所をチェックしてマーキングしてから他の者達の拠点位置を問うた。


 「他の連中は何処?」


 「此処と此処。それに此処や此処の4ヶ所です」


 その言葉と共に指差して示されると、綾子はマーキングしていく。

 程なくしてマーキングが終わると、綾子は地図に穴が開くほどに見詰め始めた。

 涼介が脇から地図を見る。

 だが、自分はファンタジーやオカルトには門外漢であるが故に皆目見当がつかなかった。

 そんな涼介を他所に何かに気付いた綾子は「そういう事か」そう独り言ちると、塚地は問う。


 「何が解った?」


 「最近、退魔師連中が都内の外で頻繁に活動してない?」


 「そういや、都内近隣での活動回数が増えてたな……」


 「多分、ソレ陽動。本命は此方よ……」


 地図にあるマーキングした5箇所の中心を指差して告げると、ソレを見た涼介は嫌な予感を覚えながら尋ねる。


 「おい、此処って……」


 「そう。多分、日本一の怨霊が御わす所。見て……」


 その言葉と共にペンで5カ所の拠点を繋ぎ合わせると、五芒星が出来上がり、その中心には日本一の怨霊が御わす場所があった。

 綾子が指し示した事を目の当たりにすると、塚地は「洒落にならん事態なのは理解出来た」そうボヤいてから当然の事を問う。


 「食い止める方法は?」


 「儀式が実行される前にイケオジを仕留める。コレに尽きるわ……あ、それと並行して5カ所の穢れの基点を除染込みで処理するのも忘れずにね」


 綾子はアッケラカンに対処法を言うが、事は簡単ではない。


 「残り4カ所を制圧し、積み上げられた死体を回収。同時に首謀者も仕留めないと、儀式が行われて日本が滅びちまう訳か……壮大過ぎてイメージ沸かねぇな」


 塚地が乾いた笑いを浮かべると、涼介は涼しい顔で綾子に尋ねる。


 「なぁ、今夜中にイケオジを仕留める事が出来たら、儀式は食い止められるか?」


 「えぇ、儀式を実行するであろう張本人が居なくなれば、2つの要素の内の1つが無くなるからいけなくはないわ」


 「なら、1カ所空いた所を除染込みで処理しといてくれ……そうすれば、一応は時間稼げるだろ?」


 涼介がサラッと言ってのければ、綾子はハッとした様子で直ぐに気付いた。


 「そっか……1カ所でも穴があれば、儀式は成り立たない!」


 「死体の回収は俺の方で進めるわ。あの数の死体が無ければ、儀式の基点にならんのだろ?」


 「なら、私が除染するわ」


 塚地がサラッと膨大な数の死体を何とかする。

 綾子は除染する事を告げると、涼介はションベンに行ってくる。そんな軽いノリで告げた。


 「なら、俺はちょっとイケオジを殺して来る」


 「ちょ!?涼介!!?」


 綾子驚きと共にが止めようとするが、涼介は気にする事無くそのまま歩みを進める。

 医院を後にすると、ニンジャ400に跨った涼介はキーを挿し込んで捻ってからスターターを蹴飛ばし、走り出した。

 夜の街をアリスのナビで走り続ける事。40分……華やかな繁華街の郊外にある放置されてから数十年経ってるだろう廃墟の前に来ると、涼介は訝しみながらアリスに問う。


 「気配はあるけど本当に此処か?」


 「各地の監視カメラを利用して追跡して割り出しました。後、奴は何故かスマートフォンを()()()()携行を続けており、ソレの反応も此処からしてます」


 アリスが淡々と報告すると、涼介は「なら、待ち構えてるって事か」そう独り言ち、廃墟内で回収したスマートフォンを手に取り、リダイヤルで電話し始めた。

 数度の呼び出し音の後。相手……イケオジは出た。


 「君なら来ると思ってたよ。入り給え……鍵は開いてる」


 その言葉と共に電話が切れれば、涼介は躊躇う事無く敷地内に足を踏み入れて歩みを進めて行く。

 暗い敷地内に入ると、中に明かりの点った玄関が直ぐに見えて来た。

 玄関まで来た涼介は腰からリボルバーを抜いて親指で撃鉄を起こすと、扉に手を掛けて開け、中に入った。

 土足で中を進んで明かりの点った奥の部屋まで歩みを進めると、其処には写真にあった件のイケオジが優雅にお茶を啜って居た。

 そんな姿を視認するや、涼介は即座にリボルバーを持ち上げて片手だけで構え、銃口を向ける。

 すると、イケオジは銃口を向けられているにも関わらず平然と告げて来た。


 「君もどうかね?良い玉……」


 言い終えるよりも早く。涼介は躊躇い無く問答無用と言わんばかりに引金を引いていた。

 耳を劈く銃声と共に10ミリ口径のセミジャケット仕様のソフトポイントが放たれれば、イケオジの胸が穿たれて鮮血が勢い良く噴き出してブチ撒けられながらイケオジはドサッと席から崩れ落ちていく。

 硝煙立ち昇るリボルバーを倒れたまま動かぬイケオジへ向けたまま、彼の前に赴いた涼介はまたも躊躇い無く。今度は彼の頭へ向け、引き金を引いた。

 再び銃声が響けば、イケオジの頭が穿たれて床に血と脳漿。それに脳味噌や髪の毛の着いた頭皮が頭蓋骨の欠片と共に辺りにブチ撒けられる。

 イケオジが無惨な死体と成り果てると、涼介は愛する妻の形見であり、死する前に混沌の胸に突き立てた大振りのマチェテを引き抜いた。

 そして、慣れた手付きでマチェテを用いて首を斬り落とせば、斬り落としたばかりの脳味噌等をブチ撒けて無惨な状態の首を平然と掴み上げると、涼介は未だに傷口から血をダラダラと流し続ける胴体を尻目に尋ねる様にして語り掛ける。


 「俺を仲間に誘える。本当にそう思ってたのか?それにこんな呆気なく死ぬとも思ってなかったのか?」


 涼介は呆れ混じりに語り掛けるが、答えが返って来る事は無かった。

 だが、涼介は気にする事無く更に語り掛けていく。


 「そのマジで?って感じの表情から察するに本当に自分が死ぬとは思ってなかったんだろうな……俺の経験上、自分が死ぬとは思ってない奴ほど間抜けなマジで?って顔するし……そうなると、お前は一応は本物のイケオジなんだろうな」


 異世界にて有象無象の雑魚から、強大な力を持った者達。その者達を尽く殺し続けて来たからこそ、涼介は今持ってる生首がイケオジ本人であると判断した。

 驚く事に、その判断は間違っていなかった。

 今は無惨な生首と化してしまったイケオジは涼介を自分の仲間に引き込む事を諦めきれず、敢えて使用したスマートフォンを棄てずにこの家屋に誘って来た。

 そして、その判断は失敗に終わり、淡々とドラマチックのドの字も無いまま無惨な生首と成り果ててしまった。

 呆気ない終わりだが、生命なんてものは呆気ない終わりを迎える事が多々あるのだから仕方ない。世の中そんなものなのだから尚更である。

 そんな生首に興味が失せた涼介はポイッとゴミをポイ捨てする様に棄てると、自分のスマートフォンで塚地に電話し始めた。

 程なくして塚地が出れば、涼介は人殺しをしたばかりと言うにも関わらず暢気な様子で告げる。


 「終わったぞ。スンゲェ楽勝だった」


 「おいおい、マジかよ……」


 塚地が呆れ混じりに驚くと、涼介は呆れ混じりに返す。


 「余裕を見せ付けて来るから、何かしらの伏兵用意してるかと思ったらしてねぇでやんの……住所送るから後始末頼んで良いか?」


 後始末を頼むと、塚地は仕方無いそう言わんばかりに承諾した。


 「おう。後始末しとくから、お前は帰っとけや……」


 塚地が承諾すると、涼介は今居る場所の住所を教えた。

 そうして報告が済めば、涼介はリボルバーとマチェテを腰に戻してから何事も無かったかの様に家屋から悠然と立ち去っていく。

 その後。敷地の外に出れば、ニンジャ400に跨ってエンジンを始動させて走り去って家路に着いた。





 涼介が帰路に付き始めた頃。

 塚地が派遣した掃除チームと共に例の廃墟に来ていた綾子は、何者かの激しい銃撃を受けて居た。

 耳を劈く絶え間ない銃声と共にブチ撒けられる無数の銃弾によって掃除チームが、成す術も無いまま次々にバタバタと倒れて逝く中。コンクリートの壁裏に何とか隠れた綾子はアンマリ過ぎる状況に対し、怒鳴る様に悪態を吐いてしまう。


 「一体どうなってんのよ!!?明らか情報に無い奴等が敵なんだけど!?」


 そう綾子の悪態の通り、今居る敵は明らかにイケオジ達とは毛色が違った。

 何せ、臆面もなく機関銃を持ち出して来てるのだ。どう見ても、イケオジが集めた様な退魔師崩れには思えなかった。

 すると、そんな敵からの銃撃がふと止んだ。

 綾子は「弾切れ?」そう独り言ちながら壁際から覗き込もうとする。が、直ぐに顔を引っ込めた。

 その瞬間。機関銃とは異なる大きな1発の銃声と共に散弾とも言える13発の鋼球が音速のスピードで以て、ついさっきまで綾子の顔があった所を通り過ぎていく。


 「タチ悪ッ゙」


 油断を誘って釣り出そうとして来た姿を見せぬ敵に綾子がまたも悪態を漏らすと、再び激しい銃撃が始まった。

 絶え間なく銃声が響き、綾子の鼓膜を痛めて来る度に隠れてるコンクリートの壁がドンドン削られていく。

 そんな中でどう動くべきか?綾子が決め倦ねてると、何の前触れも無く横から1発の銃弾が綾子の脇腹を貫いた。


 「痛ッ゙!!?」


 綾子が激痛と共に床に崩れ落ちると、激しい銃声が嘘の様にパタリと止んだ。

 そんな中で綾子は手に魔力を込め、傷口に当てて治癒を始めようとする。

 だが、ソレは音も無く飛んできた3発の銃弾によって、手首が千切れ飛んだ事で邪魔されてしまう。


 「いってぇぇ!!?」


 右の手首が千切れ飛んだ激痛の余り叫んでしまうと、足音が一切無い足音が床を通じて聞こえて来る。

 段々と近付いて来る2人の大小異なる足音に綾子は警戒と共にどう反撃するか?考えると、語り掛けられた。


 「殺さないから安心しなさない」


 その言葉と共に姿を見せたのは黒の戦闘服とコンバットベストに身を包み、硝煙立ち昇るアサルトカービンを携えた赤毛の白人の女であった。

 彼女が綾子を油断無く見据えると、今度は大柄……身長が2メートルを超えるだろう巨躯と大きな胸の膨らみが眼を引く黒い髪を後ろに束ねた機関銃を抱える女がやって来た。

 彼女等は睨み付けて来る綾子を感心した様子で見詰め返すと、要件を告げる。


 「さっきも言ったけど、今は貴女を殺す気は無いわ」


 赤毛の女が言うと、綾子は鼻で笑って不敵に返した。


 「その割には容赦が無さ過ぎない?私以外、皆殺しといて信用しろって方が無理よ」


 その言葉に対し、機関銃を携える大柄の女は涼しい顔で返した


 「殺した私が言うのも何だけど、この程度は挨拶代わりよ?それに貴女を殺すつもりなら、さっきの時点で殺してる。そう思わない?」


 大柄の女の言葉に嘘は一切感じ取れなかった。

 それ故に綾子が自分がトドメを刺されぬ事に一応は納得すると、赤毛の女は告げる。


 「ロウに伝えて欲しいの」


 「ロウ?」


 綾子が首を傾げると、今度は黒い髪の女が告げる。


 「そう、ロウ……彼に伝えて欲しいの。私はまたも敵となってしまった。だから、躊躇う事無く()()()の様にして。そう言えば、解る」


 綾子には意味が解らなかった。

 そんな綾子に赤毛の女はもう1つの伝言を頼んで来た。


 「それと、天と地の狭間で待ってるとも伝えて……」


 そう告げると、赤毛の女は「確かに伝えたわよ」そう言い残し、巨躯の女と共に姿を消した。

 2人が本当に自分にトドメを刺す事無く居なくなった無い事に対し、困惑する綾子は右手首を生やすと、脇腹を再生させながら塚地に電話する。

 異変に気付いていた塚地が電話に出ると、綾子は早速伝えた。


 「マー君。大至急、他の掃除担当の人達を連れてきて……襲撃されて私以外皆殺しにされた」


 「直ぐにバックアップチームを送る。無事か?」


 「腹を撃たれて、右手首をちぎられたけど無事」


 綾子が誰が聞いても無事とは言えぬ事を平然と告げると、何かを察した塚地は尋ねる。


 「殺されずに生かされたって事は君はメッセンジャーにされたのか?」


 「えぇ、ロウって奴に伝えろ。って、言ってたわ」


 メッセンジャーにされた事は予想通りであったが、その内容とメッセージの送り先が予想とは異なる事に塚地は首を傾げてしまう。

 そんな塚地に傷を完璧に再生させた綾子は平然と立ち上がると、言う。


 「一先ず、何か変化起きてないか?調べてみるけど、急いで回収チームを送って……除染もしておきたい」


 「解った。直ぐに送る」


 そう告げて電話を切ると、塚地は涼介に電話し始めた。

 暫く繰り返される呼び出し音の後に涼介が出ると、塚地は開口一番に問う。


 「ロウって奴に心当たりは無いか?」


 塚地の問いに涼介は何も答えなかった。

 そんな涼介に塚地は更に問う。


 「あーちゃん(綾子)が襲われた。彼女は無事だが、俺の部下達は皆殺しにされた……だから、隠し事は抜きだ」


 嘘と隠し事は断固として一切許さない。そう告げる様に問えば、涼介は正直に答える。


 「多分、ロウは俺の事で間違い無い」


 ロウ……ソレは涼介が異世界に居た頃に名乗ってた名前で、ブラックラグーンのロックと同じ様な渾名みたいなものであった。

 そんな名前が出た事で涼介が怨敵であるクソアマ絡みと確信すると、塚地は告げる。


 「なら、あーちゃんがメッセンジャーにされてるから詳しい事を聞いた上で、俺に全て打ち明けろ。勿論、彼女にも打ち明けろ」


 その要求と共に電話が切られると、涼介は直ぐに綾子へ電話した。

 1度目の呼び出し音の後。直ぐに綾子が出ると、涼介は問う。


 「ロウは俺の事で多分間違い無い。ソイツ、何て言ってた?」


 涼介の問いに綾子は一言一句違える事無く伝えた。


 「私はまたも敵となってしまった。だから、躊躇う事無くあの時の様にして……よ」


 その言葉を聞いた瞬間。涼介は動揺してしまう。

 動揺しながらも、間違いであって欲しい。そう願いながら、涼介は確認する。


 「ソレを言った奴の特徴を教えてくれ」


 「1人は赤毛で背が高い筋肉質な感じの白人の女の人。もう1人は背が凄く高くてオッパイがデカくてガタイも良い大きな黒髪の女の人」


 2人の特徴を聞いた瞬間。

 涼介は確信せざる得なかった。

 それ故に何と言えば、良いか?解らなくなってしまった。

 そんな涼介を気にする事無く、綾子は尋ねる。


 「あの女の人達は何者なの?」


 その問いに涼介は正直に答えた。


 「2人は俺にとって大事な人達(女達)で、()()()()()


 比喩や例え等ではなく、本当に自分の手で殺害したと涼介の真剣な声色から察すると、綾子は確信と共に告げる。


 「それが本当なら、"混沌"の仕業で間違い無いわね」


 綾子が告げるも、涼介が答える事は無かった。

 だが、綾子は気にする事無くもう1つの伝言を告げる。


 「それともう1つ……天と地の狭間で待ってる。そうも言ってたわ。コレはどう言う事?」


 もう1つのメッセージも一言一句違える事無く伝え、尋ねる綾子に涼介は一切答える事無く電話を切った。

 スマートフォンをしまうと、涼介は帰路に着くのを辞めて2人の愛し、殺した女性の待つ天と地の狭間へとバイクを走らせるのであった。





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