特殊指定都市ツノバヤシティ
時が静止した街、ツノバヤシティ。
魔力の発露が原因で人と動物、つのばやし、いがいが停止している地域をツノバヤシティとよぶ。
水はながれることをやめ、雪は空中でとまり、温度はかわらず、落ちているいしころはうごかない。
そこにある銀行には開かない金庫があった。なかには18億円がはいっている。
そこを訪れた人は、ときがとまっているにもかかわらず動く太陽と月をたよりに日数をかぞえているが、記憶がうすれていくのだ。
ちょうどその街に必要なそんざいにおちつく。
不思議な街、ツノバヤシティ。
大金があるとの情報が漏れているので悪党が集まるがみな、記憶がうすれていき、普通のツノバヤシティの住人となってしまう。
覚醒者だけが、そんな中つうじょうどおりいきていける。
ゆえに犯罪がたえないのだ。覚醒者による。
『ひゃっはーぼけなすどもぉ!金の準備はいいかぁ!?』
デビルオクトパスの一本目の足ファーストフットが銀行のかねを奪おうと銀行にやってきた。
『お客様こちらでは金庫をあけることができません』
ツノバヤシティ住人銀行員の羽田がこうべをたれた。
特殊作戦中のアイリとゆうきが丁度銀行にいわせていた。
『なによあなた!うつくしくないじゃないの?銀行強盗のいろはをまなんできたらどうかしら!』
『いや、銀行強盗のテンプレみたいなやつだとおもうが・・・』
反論するゆうきにつよい、どつきをアイリはかました。
ゆうきは快楽から角汁がたれ衝撃波が周囲に発生した。
それによって一時的に空気に停滞していた時間をとめる魔力が霧散した。それによって金庫にかけられていた数々の圧力が回転式のレバーを回転させあけられることとなった。
『きんもぢぃぃぃーーー!』
書類や観葉植物の葉っぱがちゅうをいりみだれる。
『なんだぁ!?まぁいいがよぉ!美学にはうるせぇぞおれぁよぉ!』
ファーストフットには悪の美学があった。
老若男女とわずコロス。
くるしめてだ。
そこに死の煌めきがうまれるのだと語っている。
被害者の苦悩と狂気の沙汰が交差したときはじめてうまれるとおもっているのだ。
『おめぇもくるしめてころしてやるからよぉ!こっちこいよぉ!』
アイリははにかむとささやいた。
『こういうキチガイはおいしいのよね』
ゆうきはまたはじまった、という渋い表情をする。
ファーストフットのみぞおちに肘をうちこむまでいちびょうもかからなかった。動かなくなっていた時計のはりが一秒ごとに時を刻んでいく。
『かはっ』
ナイフをつきたてようとするが硬質化したファーストフットの皮膚にふせがれた。
『コチコチにかたまったおれを打撃でやるとはただもんじゃねえなぁ!おっう!』
ゆうきはうごきだした無線の機能によってユキから情報を得る。
デビルオクトパスのファーストフットは硬化と鈍化の能力をもっており、狡猾でドSな卑劣漢であるとしらされた。
『あ・・れ・うごきが・・・とれ・・ない』
『こうやってよぉ!おそくしてやると苦痛を感じるスピードもおちるってわけよぉ!ながくたのしめるぜっ!おっう!』
拳をはらにたたきつける。
狂喜の笑みをうかべながら、ニヤつく。
ドSはうたれよわい。
激痛がアイリの全身を襲った。
からだの細胞がすみからすみまで尖った神経のように感じた。凄く遅い速度で体を蝕んでいく痛みというなのスパイス。
アイリはぶちきれたが、感覚だけがよぎって、動作もすべてがにぶくなった。
脳ミソはかんじることをやめようとしたが、ツノバヤシがそれを抑制し、常にいたみをかんじつづけた。
数秒の出来事である。
ゆうきが割ってはいってファーストフットをけりとばすが、けったことにより鈍化にかかってしまい、蹴りの反作用で筋繊維がはげしくいたむのにみもだえした。
ドMの境地にたっしているゆうきは感動した。
『これが世界かよ!』
ゆうきがうけた痛みで発生した雫だけが鈍化の作用を逃れて地面に落ちると、ゆっくりと痛みをかんじていたゆうきは衝撃波によって吹き飛び鈍化の範囲からのがれることができた。
『あぶねぇ。やつの能力にはちかよれねぇな』
特注のタングステンでつくられたダムダム弾をぶちこむときがきた。
ゆうきは腰のホルスターから銃をぬきだしうちこむ。
みけんめがけてだ。
射的で景品がおちたときのようにスイカが弾丸をうけとめるかのように破裂した。
その頭部をみてアイリは絶叫した。
『私がころすときめたのに、私がたべるときめたのに、私が私がぁぁあああ!!』
ふざけるんじゃないわといって、ゆうきを一瞥するともっと衝撃波をだして時の静止した世界を壊すため玉にけりをくらわした。
これがアイリのうけていたトップシークレットの任務だった。
『あっ・・・』
白濁した意識のなかゆうきはひたいから大量の汁を噴射したことに気付いた。
同時に爆発がおこり時のとまったすべてが動き出した。
コップからこぼれおちるコーヒーと一緒にアイリはゆうきの汁をよつんばいになってすすった。
『おいひぃぃぃいなんておいしいの!こんなにも美味しいものがあったなんて!しんじられないわ!』
頬を染め興奮する少女のそれは恋とはまた別の感情だったに違いなかったが、人格がふたつ存在することをゆうきはしらずにいた。




