ハローニューワールド
世界かよ!とゆうきが感じていた時、同じ病院に角をはやした純粋主義の殺しを好む女がいた。
そう、ひとがしぬことにだけ快楽をかんじ、マスコミや世間の反応はきにしない、そのときの快楽だけをたのしむ純粋主義者、アイリがつのをはやして快楽にさらによろこびをみいだしていた。
『きんもぢぃいい』
『なぁにこれぇぇえこんなに気持ちのいいことがこの世界にあったなんてぇ!きゃあははは』
滴る血がじめんに滲みだした瞬間絶頂をむかえたアイリは本能のままに殺戮を楽しむことにした。
だが、ころしはしにかけの老人だけときめていた。
彼女なりのこだわりがあったのだ。狂気の沙汰のなかにもセンスがある。殺しの美学とよんでいいかはわからないが、高齢者の方が熟しているらしいなにかが。
病院はかっこうの狩り場だった。
『あらやだわぁ殊勝な羊たちねぇ、わざわざオオカミのえさばにやってくるだなんてぇ!』
額にはえた角からでる魔力をつかって引き抜いた脊椎のぶら下がる頭蓋から脳をとりだして、魔石に圧縮して形を変化させてから咀嚼した。
『うんめぇぇぇええええ』
そのなにかは脳ミソであった。
老人の人間の脳ミソに適量の魔力を注ぐと硬質加し魔石へと変化するのだ。
このことにきづいた、感染者つのばやしはまだ少ない。
皆それぞれの食事方法をあみだしているようで、個性がでるが希少なつのばやしの習性でもあった。
死体の心臓に魔力を注ぎグールともゾンビともよべぬ、つのばやしもどきが量産され世界が混沌に満ちていくのはそう時間のかかることではなかった。
つのばやしもどきは頭がわるく本能のおもむくままにセックスと食事だけをおこなっていた。
太陽が登るとつのばやしもどきはいっせいにかげにかくれて体をよせあった。深い地下のトンネルや排水溝のなかで体を潜めているのだ。
同時期にいるほかのつのばやしはどうだろうか?
世の中には腐女子というものが存在する。
エッフェル塔と東京タワーどっちがうけでせめなのかを議論するようないかれた連中だ。
その腐女子にもつのばやしの魔の手がせまっていた。
『あーたまんないわぁあのマンホールセクシーすぎるわぁ。三角コーンとマンホールを擬人化したらおにあいのカップリングじゃなあぃ』
腐女子のユキはマンホールと三角コーンの擬人化で腐女子友達のユイとどっちがせめなのかでSkypeをつかってもめていた。
ユキは頬を紅潮させ、気付いたらできていた額のコブをおさえながら興奮していた。
『だから、マンホールがさそいうけだっていってるでしょ!!』
通話相手のユイは反論した。
『三角コーンくんがうけにきまってるでしょう!』
『やれやれだぜ、承太郎と花京院のカップリングでもつのつきあわせてたわね、わたしたち』
♂ならアナルがきゅんとしかねない会話をするユキはつのばやしに寄生されていた。
すると部屋の片隅にあるテレビに病院で老人が殺戮されていると報道が流れた。
『きもちーーーい』
ユキは額をさすりながらさけんだ。
『おなってんのあんた?』
『いや、コブをさするときもちよくって』
発露するエロスという感情が頬を紅葉のようにあかく欲情させていた。
『こぶ?』
『あぁーいきそ』
『ちょっときもちわるいんですけど』
Skypeはここで途切れた。
ユキはつのばやしに寄生されたが自我がのこっていた。
『わたし、おかしいおかしいおかしいおかしい』
コブをさすりながらオーガズムをかんじつづけるユキ。
『はーーーーーーーん』
『スカイツリーと東京タワーどっちがうけでせめなの?!』
『兄弟丼』
『エッフェル塔をあいだにはさんだ兄弟丼なんてさいこうじゃなーーーーーーい!!』
達した。
ユキは魔力が脳内をかけめぐる快楽に愉悦した。
『すっきりしたわっー』
広大な草原でねそべってやわらかいほしぐさにお日様のにおいをかいで、ほどよい風がふきぬける、そんな感じ。
『これが世界かよ』
そうやって、新たな世界を感じていくのだ。




