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「3年B組 菊池亮平」その2
「いつも楽しく」がアゲ高の伝統としてある。
大いに結構。理想的。けどミスコンとは戦いの場。
勝つ奴がいて負ける奴がいる。スレてる奴なんて相手にしない。
勘違いしている奴は現実見て泣けばいい。
「いつも楽しく、時に厳しく」こそがアゲ高のモットーだ。
誰が見ても納得する。そんな子がミスコンを彩るべきで、今回のミスコンは『アゲ高 = 可愛い』のイメージを世間に証明する絶好の機会でもあった。
それは優勝候補の2人だけじゃなく、上位にランクインする女子にも課せられる。そして選ばれた女子達はその見た目だけじゃなく、内面も優れていなければならない。
「ヤバい、何か緊張してきた」
「ヤバい、すげえドキドキしてきた」
「ヤバい、めっちゃ喉乾く」
「ヤバい、めっちゃトイレ行きてぇ」
「ヤバい、こっち見んなって言われちゃった」
「ヤバい」で始まる会話を、こんなに一度に聞いたのは初めてだった。
気づくと自分も言っていて、ワクワクが具現化していくのがわかった。
体育館には続々と生徒達が集まってきて、その体温と熱気で体育館全体の温度が上がった。気づくと汗をかいていて、思わず額の汗を拭った。
そして、体育館の照明が落とされた。ミスコンが始まった。




