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武一、ミスコンを企画する。  作者: よしの
3年K組 五十嵐 透 
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「冨田と上澤」


 授業中の様子を見ているだけで、頭いい奴とそうじゃない奴の違いがわかる。


 授業中一定の集中力を持続出来る奴は限られていて、それはやっぱ頭いい奴に多い。今は特進クラスなだけあって、ほとんどの奴が集中して授業を聴いてるが、その中でも別格なのが冨田だ。学年一の頭脳を誇る秀才。冨田は見た感じぼんやりとしているので、特別集中してるようには見えないが重要なとこを逃さない。冨田の凄いところはその集中力が一日中続く事。けどそれは特別冨田がそういった能力に長けているから、という事じゃない。みんなのキャパが同じ100だとして、大体最後の授業になる頃には集中力も切れてゼロ近くになってしまうが、冨田はちゃんと余力を残している。集中力がずっと続かない事を知っている。抜くとこはちゃんと抜く。それが冨田のやり方。全てを頭に入れる必要ない。そもそもそんな事出来ないし、重要な箇所は限られている事を冨田は知っている。客観視した上での配分が絶妙に上手い。そうやって冨田は余力を残した状態で授業を終え、塾や自宅でもまた勉強する。そりゃ叶わない訳だ。いつもどこかボーっとしてる姿からは想像つかない。そういう所も冨田が際立って見える理由だろう。


 そしてこのクラスにはもう1人とんでもない奴が居て、それが上澤ひら()だ。


 上澤はある意味見た目通りの奴で、お嬢様気質でプライドが高い。そして、あらゆる事をそつなくこなす。特に学業に関してはムッキムキのアスリート。普通の奴のキャパが100だとすると200はある。めちゃくちゃ勉強している。冨田とはタイプが異なる、持って生まれた才能の違い。基礎体力に優れている。おそろく家に帰ってものんびりする時間なんてないだろう。けど、女子同士で話しているのを聞いてると、最近の流行やテレビでの話題はしっかりと把握してるようで、しっかりと余暇は楽しんでいるようで、俺からすれば冨田以上の化け物だ。


 たまにテスト期間中に一夜漬けしてる奴がいるが、こんな奴らバカでしかない。これはスポーツに例えるとわかりやすくて、前日に走り込んだだけで、まともに走る事なんて出来ないのと同じで、毎日走って前日は休養するぐらいが丁度いい。


 毎日授業を受けてるのは基礎練みたいなもので、基礎をしっかりやってるから本番で結果が出る。この仕組みはなかなかに優秀で、基礎ばっか続くから大抵の奴は途中で飽きてしまって、ほっといても脱落していく。脱落した奴は勝手に下がっていくだけなので、何もしなくても上に上がれる。続けているだけで、上に立てる。特別な事は何もしていない。学校以外で全く勉強してない俺が、特進クラスに居れるのはそれが理由だ。俺にとってこの「学制」というシステムはなかなかに都合が良かった。


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