「アゲ高のビッグ3」
男子が女子を話題にする時、必ず上がるのが大門と結城だ。
この2人を話題に上げ意見を言い合うという、明らかに女子が引きそうな行為はアゲ高男子にとっては鉄板ネタで、必ずいつだって盛り上がった。またこの両者を巡っては互いの派閥で意見はぶつかりはするが、ある意味友好的で、互いの行き来は盛んだった。「さっき廊下で目が合ったから」という理由で派閥を変える事は日常茶飯事だった。
そんな事もあって、この2人を語る事はミスコンをやる前からアゲ高男子にとっては欠かす事の出来ない日常で。そんな議論に終止符を打つという意味合いもあって今回ミスコンが企画された。俺達3年にとっては最後の学祭でもあるし、どうあがいても記憶に刻まれる訳だ。
男子1人につき3人まで入れられるシステムである今回のミスコン。三票の内の二票は大門と結城で決まり。1つ悩ましいのは、生粋の大門派である俺が、果たして結城に入れてもいいのか?という事だ。普通なら大門と結城に入れて、3人目をどうするかと考えれば済むだけだが、コレはミスコンであって。大門派である俺は当然大門を推す。なら、その最大のライバルになるであろう結城に入れていいものか?もちろん同じクラスの好みはあって、仮に結城に入れたとしても、大門の優位は揺るがない気がする。それぐらい大門の存在は圧倒的で。ただコレはミスコン。何が起きるかわからない戦いの場なのだ。
じゃあ残り2人をどうするか?どうせなら日頃絡みのある女子がいい。そうなると1人は自ずと決まってくる。
『新田 春』新田は隣のC組にいる女子で、この子もかなり人気があってルックス良くて普通に可愛い。世間一般がイメージするだろう当に女子高生的な女子高生で、これでもかってくらい女子高生をやってる子。新田の何がいいかって、とにかくキャラがいい。ノリが良くて裏表がないし、男女関係なく接する明るくフレンドリーな奴。髪色は少し明るくて、ふんわりとしたミディアムボブが新田の雰囲気とよく合っていた。新田は自分の事をよく知っている。とにかくいつも楽しそうで、周りにはいつも人がいる。男にも女にもモテる。どこか取っ付きにくさを感じる大門とは真逆の位置にいる子で、そして何よりちょっとエロい。新田に入れる奴はかなり多いだろうと予想している。
大門、結城、新田。この3人は言わばアゲ高のビッグ3で、今回のミスコンでもトップ3をこの三人だと予想する奴は多い。けど、なかなかそう簡単にはいかないとも思っている。大門、結城は別として、それ以外はどうなるかわからない。アゲ高には特徴がいくつかあって、その1つが可愛い子が多い事だった。




