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第一話:遺産の洋館

石崎秀治は、助手席の美奈が鼻歌を歌うのを聞きながら、狭い山道を慎重に車で進んでいた。ナビはとっくに圏外。祖父が遺した走り書きの地図だけが頼りだ。

秀治は27歳、小金持ちのボンボンとして気楽な人生を送ってきたが、今回の遺産相続にはどこか胸騒ぎを感じていた。祖父の死から半年、突然弁護士から知らされたのは、朽岩≪くちわ≫という、僻地の集落にある古い洋館だった。


「ねえ、秀治。この別荘、売ったらどれくらいになると思う?」

美奈が窓の外を眺めながら言った。彼女の声には、いつもの打算的な響きがあった。秀治は苦笑する。

「さあな。まずは見てみないと。」

美奈は24歳、ショートカットの髪と鋭い目が印象的な女性だ。大学時代に出会い、付き合って2年。婚約はしたものの、秀治は彼女の心の奥を完全に掴めていない気がしていた。


山道はうっそうとした雑木林に覆われ、陽光が届かない。トンネルが近づくにつれ、空気が重くなる。


トンネルを抜けると、朽岩の集落が現れた。朽ちかけた木造の家々が点在し、まるで時間が止まったよう。

道端に立つ男に道を尋ねると、無気力な目で洋館の方向を指した。

「あそこだ。気をつけな。」

その言葉に、秀治は一瞬身震いした。


洋館は集落の外れ、斜面の中腹にあった。ゴシック風の尖塔と蔦に覆われた外壁が、森と一体化している。

門の前で待っていたのは、執事風の老人・樺山吉一郎と、若いメイドの雛子だった。樺山は70歳を過ぎているだろう、背筋を伸ばした姿勢と不自然な笑みが不気味だ。雛子は20代前半、笑顔が柔らかく、どこか浮世離れしている。


「ようこそ、石崎様。」

樺山が深々と頭を下げた。

秀治は違和感を覚える。祖父から管理人の話など聞いたことがなかった。

館内は古びた甲冑や肖像画、アンティークの家具で埋め尽くされている。美奈は目を輝かせ、

「これ、全部高そう!」

と興奮気味だ。

だが、秀治は窓の端に映った影に気づいた。一瞬、黒い人影が揺れた気がした。


夕方、思いがけない客が現れた。秀治の大学時代の友人たち――亮、拓也、彩花の3人だ。

「遺産相続おめでとう! パーティやろうぜ!」

亮がビールケースを掲げる。

秀治は困惑する。

「人が死んだのに、パーティって…。」

美奈は

「いいじゃない、楽しそう!」

と乗り気だ。

もう1人、香奈枝が遅れて来ると連絡が入った。


雛子が寝室の準備を手伝う中、秀治は彼女に話しかける。

「人が死んだのにパーティなんて、変だよな。」

雛子はベッドを整えながら、表情を変えずに答えた。

「人は、自分が楽しめれば他人なんてどうでもいいものなのでしょうね。」

その言葉に、秀治は苦笑した。

「おい、俺の友達だぞ?」

雛子は一瞬だけ目を上げ、

「失礼しました」

と呟いた。彼女の笑顔は、どこか冷たかった。


パーティが始まった。樺山と雛子が運ぶ料理は、キノコのスープ、川魚のグリル、梅ジャムのタルト、山ぶどうのジュース。

亮が不満げに言う。

「なんだよ、質素すぎるだろ。」

拓也も

「田舎って感じだな。」

秀治は雛子に尋ねる。

「これ、全部地元の食材?」

雛子は微笑んだ。

「ええ、天然物ばかり。都会の方にはわからないかもしれませんね。」


その夜、秀治は廊下の甲冑が動いたような気配を感じた。窓の影も気になる。


携帯に香奈枝からの連絡が入る。

「事故で車が壊れた。列車で行くよ。」

美奈はパーティに夢中で動かない。秀治は1人で駅へ向かうことにした。


ガレージで車を出す準備をしていると、雛子が現れる。

「できたら、そのままお帰りになった方がいいですよ。お友達と一緒に。」

秀治は眉をひそめる。

「どういう意味だ?」

雛子は笑顔のまま、

「お気をつけて」

とだけ言い、去った。


20年ほど前…とあることをとある人に確認するために、プロット形式のホラー物語で表現して、提示してみたことがありました。(そのやりかたが効率よかった)

その件はもうどうでもよいことですが、今回、AI|(Grok3)の能力テストをする過程のひとつで、そのプロットを入力して、全5話の小説に脚色させてみました。


僕もいまから、改行などの編集をしながら、ほとんど忘れてた物語がどんな話だったのか読んでいきます。もしよろしければ一緒にお付き合いください♪

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