プロローグ
7月10日夏の暑い日の事だった。
私の家族は、お父さん、お母さん
私、そして1つ下の弟の計4人家族。
至って普通の家族で、
最近の悩みは1個下の弟が少し反抗期中。
私も昔はこんなだったっけと思いながら、
この日は月曜日だから、休み明けで辛いけど
学校の準備をして1階に向かう。
お母さんが、朝食を作ってくれていたので
いつも通り焼いてくれた食パンに
お気に入りの苺ジャムを付けながら
朝のニュースを見る。
別にニュースなんて見たくないけど、
お父さんが出勤前に必ず見ているから
家族皆で一緒に見るのが朝のいつもの流れ。
「お母さん、今日友達と夜ご飯食べてくるから、
夕飯いらないから」
私が伝えると、お母さんは頷き
「結衣がいないなら、みんなで美味しい
もの食べようね〜」
と、茶化される。
「ひどーい!美味しいものなら、
私がいる時に作ってよ」
そんな言い合いをしながらも、
家を出る時間になってきたので
急いでパンとヨーグルトを平らげ、
お母さんが作ってくれたお昼のお弁当を
カバンに詰め込み、学校行く前のトイレに向かう。
トイレの後に洗面所に向かうと、
弟の律が髪の毛のセットをしていた。
「そんなセットしていても、
自転車に乗ったら崩れるじゃん。
意味ないよ」
「うるせぇ、姉ちゃんには分かんないだろうけど
崩れてもセットしていた方がかっこいいんだよ」
「姉ちゃんもたまには、髪の毛にアイロンとかしたら?」
やっぱり、最近反抗期で生意気だ。
「私は面倒臭いからいいよ。充分かっこいいから少しどいてよ。手洗いたいんだから」
全く1個違いとはいえ、
姉の事は少しは敬うべきだと思う。
1人心の中で愚痴りながら、
律の横から急いで手を洗い
リビングに向かう。
「お父さん、お母さん行ってくるね」
「おう、行ってらっしゃい」
「はい、行ってらっしゃい。気をつけてね」
「はーい、行ってきます」
遠くから律の声も聞こえ、
ふふっと笑いながら家を出る。
外はまだ、7時半なのに暑く
日焼け止めを塗り忘れた事に後悔しながらも
友達との待ち合わせ場所に向かう。
近所の田中さんが、犬の散歩している姿に
朝の挨拶をしながら角を曲がると
待ち合わせ場所のコンビニが見えてきた。
携帯を見るといつもより
少し遅れがちの為
焦りつい駆け出してコンビニに向かう。
その瞬間、キキーーーッと耳慣れない音が響き、
気づいたら周りがスローモーションに見え、
コンビニの前に立っている親友の恵が
目を見開いた姿と、目の前に飛び出してきた
トラックの運転手の驚きの表情。
あれ、これやばいかも
思った瞬間には、体が宙に浮いたような感覚と激痛と
目の前が真っ暗になった。