オレは魔術師を降臨させる
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(オレよりもいち早く入国した4番目のBrotherは 、どうやら大手民間企業とfriendship partnerとして手を組んだらしい。)
「まさか、オレがそのreception ceremonyに華を添えるとわな。」
身柄拘束が解けたケイは、ドライバーとしてペットボトルシップを操縦しながらリバーエリアに聳え立つ高層タワー横の河川を、オートモードで上流していた。拘束中にシップ内は検問を受けたが、荷物はキッチリと戻されている。
「さすがJapan!他の5-0じゃ アリエナイな!」
シップの届け先にはMaikelのパートナー企業から連絡が入っていたのか、リバーサイドに吊り上げのクレーンが見える。
『ブー』
ケイがシップの引き上げ準備を船内で始めた時、出し抜けに電話のバイブが鳴った。
『emperor~!ボトルシップでぇ今どこにいるのぉ?えぇ!?シップの操縦士もするんだぁからさあ、お願いなんだけどぉ 芸術祭でしたさぁ、シップのぉ イリュージョン、あれぇ、そっちでもぉ、してくれない?』
「what?! オマエ、それはNOだろ!!」
『あ!!機材とかならぁ大丈夫そのボトルシップを招聘した~企業の研究所にさぁ知り合いがいるから~、そこに何でもさぁ言ってくれてら大丈夫だよん。』
まさか親善アーティスト自ら操縦してきたとは考えもしないのか、リバーサイドには依頼された作業員のシップを清掃している。聞けばゴールのタワーエントランスに配置されると作業員から説明を受ける。漸くお役目ごめんで、ケイは早々にMaikelが手配した宿泊先に向かう予定だったのだ。
「この last travel は一体何だ? volunteerばかりだ。次々とだぞ!」
ケイが乗ってきた、白くクリスタルに光かるペットボトルシップが、壁一面大型100インチLEDモニターサイネージが8枚並んで映し出される映像の前に置かれた。身柄引受人としてハジメに世話になったのは事実。
ケイは悪態をハジメにつきながら、渋々了承した。電話の待ち受けに表示させているホルダーを開ける。
波の揺らぎ、豊かな海、その波形はまるで、水中で ペットボトルシップが誕生を待つように見えて、何度見ても ケイは息を飲む。自国を映したデモンストレーション映像だ。
「The best paradise in the worldアザミに見せたいvisionだ。」
ケイの耳に聞こえてくる海鳥の声が 合図とばかりに、ケイはペットボトルシップの船体から運び出した、自分の衣装トランクを手にする。
「しかし、あの Sherlock からこのillusionの依頼をcallされる とはな。世界はmiracleだ。」
早速迎えが居ないか見回すと、粋なスーツを着た長身の男がケイに声を掛けてきた。
「Excuse me are you illusionist K ?」
『あぁ、ちゃあんとダレン、オシャレ長身のハーフイケメンがemperor~迎えにいくよん~。』
ケイは相手を見た時、ハジメが電話で言っていた言葉を思い出す。
(なるほどな、chinese halfか。イケメンだな、オレの方がniceだが。)
掌の映像が映し出す、海中のボトルシップは七色の骨格を持って輝きを放つ。プロジェクターを通せば、闇にシップの形を浮かびあがらせる閃光になるだろうと、
ケイはBGMを上げる瞬間の映像を確認した。電話の充電も完了されている。どうやら拘束中にシップと合わせてサービスされたらしい。ケイは不敵に笑った。
「フン!!シケた面のタレ目Sherlock の者、ダレンか?今回は頼む。まずは主催に挨拶か?時間も tightだろ。」
そうしてケイはステージのバックで出番合図の映像を見ている。
船の床面に、
四角く切り取られた海が投影して走るような映像が動きはじめると、ボトルシップが漕ぎ滑るかに 観客に見せる。
投影される水面は
飛び魚が 群れなす 昼の海から星降る夜海へ変わり、シップの内側から 光の粒子が吹き出し、船中に充満して、みる間に七色の光の羽がシップにぐんぐん生え広がって!!
「Yes!!show time だ!あの Sherlock の言いなりは 癪だが!」
ケイが 呟くと同時に
『バシュッ!!』
炸裂する破裂音とスモーク!!登場のsignalだ!!
白銀の煙から
嫌味なほどに純白なタキシード姿のイリュージョニスト・ケイが
『ダン』と、踊り 飛んで一瞬で、花弁のよう舞い降りた!
呆気にとられているギャラリーに、ケイはハジメがするようにウインクをする。
「さあ、magic time だ lady?」
(ハハ、最前列にいたメディアがHeart eyeになったぞ。こーゆーのを Zukyuuun って言うんだろ?)
回りのモニターがリズムを刻んでボーダーにライン点滅をする中、ケイは鮮やかな手つきで次々にカードを生み出だしていく。
(そういえば、あのSherlockがトリエンナーレでDirと呼んでいた男。そうとうな Doerだな。こんな手配が速く的確なengineerをよこすとわ、実にけっこう。assistantは、、Sherlockが 言った通り、脳筋だったがな。)
ケイは、ククっと微笑しながらカードシューティングを『ヒュンヒュン』と華麗に飛ばして無数のカードを今度は真っ白い鳥にメタモルフォーゼさせる。
(『ティカ』も飛ばしてやろう。5-0じゃ窮屈だったろ。)
エントランスを周遊した鳥達と一緒に『ティカ』が飛ぶ姿を見つつ、、タイミングの切り替えで、すぐさまケイのシルクハットに鳥達は戻ってきた。
(おや?ティカが 戻ってない?)
ボトルシップから、デジタルにマッピングされた花々が溢れて 伸び出してモニターに、企業のブランドネームが次第に映し出されていく。
(Focus だ オレ!lastだぞ。)
『パチン!!』
ケイが、高らかに指を鳴らせばスモークから、企業のフロントCEOが出現して、手を広げて観客に応える。観客のボルテージは最高潮に膨らんで盛大な拍手が巻き起こった。
(yes!!NO timeでも 最高だった!)
ケイは、バッと白マントを大きく広げ纏ってマントの影から身を隠してハラリと、マントだけ床に落した。これで 観客はケイが 煙のように消えて見える。同時に白い鳥達が
ピースシンボルのようにいっせいに飛び舞い、後にはステージに、CEOがライティング台の前に立てば、、
(オレのillusionは endだ。もちろんperfectだったぞ!)
ケイがバックステージで、鳥達をゲージインさせていると、取材陣達のどよめきと、企業への質疑応答がはじまった。急遽、ペットボトルシップ周りに記者を集められる。
「 ティカは何処だ?」
ステージはカメラフラッシュが辺りを発光するが、バックヤードのケイは鳥の様子をみて、やはりティカが居ないのを 確認する。
と、
「大成功じゃない!やったわ!」
喜びにうち震える、スタッフの声がやけに響いて聞こえ、ケイは 声の方に視線を流す。
(あれは、artist escortしてくれたミズキとかいうstaffだ。)
吹き抜けを 囲むように、下のフロアーを覗く手摺に、レセプションのスタッフが並んでいるのが1階ステージ裏から見えた。
『さあ、各部に無理を言ったところに、お礼参りに行って!!タムラさんは、備品搬出あるでしょ!完全終了したら、外部ヘルプに指示出しよろしく。』
まだステージはメディアのフォト撮りが 続くが、バックのスタッフは撤収をしている。
『バササッ』
出し抜けに ケイが探していた鳥、ティカが、降りてくるのが見てえ、ケイは安心した。と、その ティカが止まった先をおもむろに見る。
『キュイッ!』
ティカが、ケイに向かって鳴いた。
(!!!誰の肩に、留まって 頭を傾げているんだ!ティカは そうそう人に懐かない!)
なのに、
(当たり前の様にその人物は指で ティカの頭の後ろを なぜている?)
再び ティカが独特の鳴きを上げた、
『キューーーーイ、キューーーーーイ』
(コイツは、、朝のオニギリ女神か。)
鳴き声を不思議そうに聞いている彼女の肩に、 ケイは手を伸ばす。
その 耳元に、
「ーー捕まえた。」
深い響く声で わざと粋でなぜ上げてみる。それは、ちょっとしたケイの好奇心だった。
ケイの方に向ける彼女の瞳は眼鏡の中から、困惑の色に染まっている。予想通りの反応に ケイがニンマリしたが、
(ん?この瞳、、Something is wrong違和感だと?)
両手で確保した ティカを自分の胸元に仕舞い、さらにケイは確認をしようとする。
「あ、貴方の鳥でしたか。すいません。勝手にさわって。」
目の前の 眼鏡の地味なオニギリの女神は、申し訳なさそうに、弱々しく謝っている。
(そうだった、朝と今のオレは雲泥の差だ。誰か解らないか。しかし、ティカは、間違いなく彼女に鳴いた。)
「・・━━━・・・」
(なら、この眼鏡の変な女が、運命の花嫁である確率は 高い、、)
白い歯をわざとらしく見せながら、ケイは明らかに、胸元から出せそうにない荷物を彼女に差し出す。
(朝のporchとwater bottleだ。そして、)
「ー You are my life saver ー」
(覚えておけ、『マジシャン』ってのは『魔術師』を演じる者なんだよ。そんなオレに、不可解さを見せる オマエは、)
「オマエは誰だ。」
10年前に出会ったDestiny partner 運命の少女を探している。
ティカ、オニギリの女神は 運命の少女なのか?