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7.それぞれの呟き〜Side〜

〜国王の呟き〜


「行った? それは本当なのか?」

「レイルロードが間違いないと。数日後に召喚されます」


スラウェシール現国王は、いや我が国だけではなく世界は瘴気に悩まされていた。瘴気というソレは、以前はある場所のみに存在していたのだが、結界が崩れると勢いが増していき、いまや各国を悩ませていた。


「私は、父のような考えは好かなかった」

「存じております」


遥か昔、召喚によりある時は、平和をもたらし、またある時は、破滅へ導く異なる世界の者達。


父も祖父も曽祖父までも異なる世界に何故か強く執着していた。


「陛下」

「わかっている」


これから現れるのは、どのような生物か。


「隠密に精鋭部隊を配置しろ。何が来るかわからん」

「はっ」


信頼する長く時を共にした宰相の足音を聞きながら王は憂いた。


「異を唱えていた私の代で召喚とはな」


レイルロードは歴代の中でも極めて優秀な魔術師だとは耳にしていたが。禁術を行使した罪は重い。だがまだ生かしておかねばならない。


喚ばれてしまったモノを帰す為に。






〜花婿候補①ギュナイル〜


「私がですか?」

「はい。書面を預かっております」


昨夜の召喚騒ぎから数時間後に国王からの印が押された紙には、確かに異世界人の伴侶候補とすると明記されていた。


「陛下は何を考えていらっしゃるのか」


あの召喚の場にいたギュナイルは彼女が現れた様子を見ていた。勿論見物でなくソレを見極め場合によっては処分する為である。


「期待はしてなかったんですがね」


現れた生物は、女性だった。


彼女は、すぐに迫りくる瘴気を消し去った。いとも簡単に。また、その場で大胆にも横になる警戒のない姿に呆れたが移動させようと騎士が近づいた瞬間、何かが発動し伸ばした手が弾かれた。


「面白い方だ。そしてその豪胆さも悪くない」


着飾りしなだれてくる令嬢に嫌気がさしていたギュナイルは、初めて異性に興味を覚えた。


「──色々と楽しみですね」


部下はその上司の浮かべた笑みに寒気を感じ思わず体を震わせた。





〜花婿候補②ジルヴェール〜


「父上が、私に振ってくるとは珍しい」

「殿下、また何かやらかしましたか?」


護衛だけど学友仲間だったメイクがからかい口調で茶を置きながら話しかけてきた。彼の淹れる茶はとても美味しいので、たまに無理を言って出してもらうのはいつもの事だったが。


「何もやらかしてないけど、花婿候補になったみたいだよ」

「えっ、どなたですか?!」


身を乗りだされてジルヴェールは苦笑いした。


「君の婚約者じゃないから安心していいよ」


あからさまにほっとしている親友を見て今度こそ声に出して笑ってしまった。


「そんな軽くないよ私は」

「殿下が軽くなくても周囲は、その地位と顔、柔らかな対応に付いていっちゃうんですよ!」


メイクの顔は真剣そのものだったので過去を振り返ってみるも。


「うーん。わかんないけど、女のコって皆可愛いよね」

「殿下ー!」


暫くよく分からない理由で叱られるジルヴェールだった。





〜花婿候補③騎士団長ラング〜


「おいおい、本当かコレ」

「どうされました?」


補佐のダニエルに問われたので問題の紙をみせた。


「えっ、団長が花婿候補?! 相手の方が可哀想ですよ! いっ!」


ラングは無言で拳をダニエルの頭上に落とした。


「なんだって?」

「痛いですよ! こういうすぐ手をだす所です。あと威圧感でしょ、あとは字の汚さ。あと…」


ニ発目をくらった部下は目尻に涙を溜め頭を擦りながらこちらを睨むもお前が悪いだろ。


「俺の評価はさておき、わかんねーな。何で俺なんだ?」

「顔は悪くないんだから、頑張って下さいよ」



戦では優秀な男は、剣以外からしき思考が動かない。それゆえダニエルの頑張れの意味が理解できなかった。


「よし、身体動かしにいくぞ」

「えっ?紙が少しも減っていませんが」


何故か我が上司は書類を放棄して剣を持ち訓練場に向かった。


「デートプラン書いてあげますからー!」


ダニエルは、上司の背中を仕方なく見送りながら全力サポートを決めたのだった。




〜巻き込まれた花婿強制決定④ランクル〜



「どうされましたか?」

「王都に至急戻れと。処理がもう少しで終わる所なのに何故陛下は俺を呼び戻すのか」


部下のクリスも困惑していた。


「何かよほどの問題が起きたのかもしれまん」

「考えられるのは瘴気か。だが我々ではなく魔法部隊か魔術師達が適任だ」


几帳面な陛下が中途半端な処理の状態で帰還命令を出された。


「やっかいな事になるのかもしれない」


まだ、自分の身に降りかかる災難にランクルは気づいていなかった。








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