第1話 そんな僕の日常
この作品は、基本一話完結型です。
稀に連作になる場合もあります
また後に、前世や人外などが含まれる可能性があります。
主人公の一日を覗くような形で楽しんでいただけると、嬉しいです。
僕はただの高校生
特に将来の夢もなく、何となくで受けた才能テスト
その日から僕の周りではおかしな事がよく起きるようになり
しまいには、家にスーツを着た怪しい人が押しかけるようになる
あれよあれよと僕は怪しい人たちの仲間入りをしてしまう
そんな僕の毎日のお話です
変な人たちには出会ったけど、それでも僕は一般人
汗も滴る、太陽の照りつける日中
授業が終わり、友達との挨拶もそこそこに急いで校門まで行けばそこには真っ黒いスーツを着た厳ついサングラスのちゃんにー……青年がいた
「こ、こんにちは、安吾さん」
「おう、学校も終わりかぁ?若頭」
「若頭じゃないです!若葉です」
「おうおうそんな変わりゃせんよ」
あっはっはっと豪快に笑うサングラスの青年こと、坂口安吾は僕の頭をばしりと叩くと、またまた真っ黒な車に乗り込んだ
慌てて僕も乗り込めば、運転席には優しげな笑みを浮かべた男性
アーサーがいた
あ、ご紹介遅れましたが、僕はピチピチの16才 秋 若葉と申します。
秋なのに若葉なの?とか野暮ったいことは言わないでくださいね!!
「若くん。学校は楽しいデスか?」
「はい!やっぱりマンモス校だけあって、人も多いし、敷地も大きいですから、二年になった今でも迷っちゃうときありますけどね」
「……ふむ。若くんが迷子になったら大変デスから名札でも、お洋服につけた方がいいデスかね?」
「いやっ、大丈夫ですよ。アーサーさん」
アーサーさんは日本に疎いというか、謎がとても多い人です。
本人も天然なところがあり、冗談で言ってるのか本気で言っているのか分かりにくい
今回は恐らく、純粋に心配してくれているはず…
隣の安吾さんは笑いを堪えているけれど!
「…………安吾、なぜ笑っているのデスか」
「んんっ、いや俺はまぁったく笑っちゃぁいなかったぜ。相棒」
「私とあなたは相棒ではありませんよ。」
「こりゃ、失敬」
真っ黒な髪の安吾さんと綺麗な金髪のアーサーさんは仲がいいのか悪いのかよく分かりません。
仕事ではペアを組むことも多い見たいですし、チームワークも良いらしいけれど意見だけは合わないらしい
ガタイも良く、性格も豪快で力自慢な安吾さんと
細身で力よりも頭を使うアーサーさんのペアはなんだかんだ言って上手く回るんだよ…って言ってる人がいました。
車が止まり、学校の大きな敷地の一角にある、これまた大きな建物の中に、2人は迷わず入っていく
僕もぺこりと門番の人に一礼した後、二人のあとを追う
車で移動してるけど、学校の敷地内っていうのに僕はびっくりだよ
スーツを着た人が多い中、私服のアーサーさんと制服の僕は目立ってしょうがない
と、言うか安吾さんは大柄でアーサーさんは身長高いから僕なんか二人の近く歩きたくないです
一際大きな扉を開けると、そこにはみなさんお揃いでした。
「おっそーい!!もう予定より10分も過ぎてるよ!」
プンプンと、ツインテールを揺らして頬をふくらませて怒るのは小柄な女の子 クリオネ
ふりるの着いた可愛らしいスカートを左右に揺らして僕の前にズイっと顔を出す
「予定時刻など、元からないだろう。バカモノ。」
腕を組んで大きくため息、少し怒った顔をしているのがデフォルトな男 川端鴎外
綺麗なスーツに身を包んでいる割にシャツがやつれている
「ハローボーイ!」
「やぁ、この前ぶりだね。若」
似た顔の男女
女は制服のシャツを着崩して、男はきちんと制服を着ている
僕と同じ学校に通う双子 織田サクラと織田サクヤ
2人は高校じゃなくて大学だから、あんまり、校内で会うことは無いけれど、よく噂は耳にする
「若、こんにちは。2人ともお迎えありがとう」
狐のお面で顔の上の半分を隠している、和服姿の青年 七松龍之介
なんでも昔火傷を負ってしまい隠してるとか…
僕達のサークルの部長であり、僕らの通う学校全体を納める
学生自治会のメンバーでもあるのだ!!
ついでに言うと、サークル内では偽名を使ってる人たちもいるから、以外と校内新聞とかで本名が乗ってても僕は分からないのだ!
幽霊サークルと呼ばれる、このサークルは才能テストで選ばれた人たちしか入れないのです。
それ故、訳あり(本名を知られたくない人)はサークル内では偽名を使うことが許されてます
面白半分で偽名にする人もいますけどね!安吾さんとか!
僕は最近入ったばっかりなので詳しい事はよく分かりませんが、幽霊サークルでは校内で起きた、小さな事件から大きな事件、はたまた刑事さんにお世話になる様な事まで、解決するのが主な活動内容です。
学校側から依頼されたり、生徒、学生から依頼されたりとありますが、僕が加入してからは今のところ、レポート手伝ってとか、宿題の参考書探すの手伝ってとか、軽いものしか来ません。
七松さんは「平和でいいね」なんて笑ってましたが、僕としては少しつまらないです。
「今回は、高等部を若と海。大学部を安吾とアーサーをメインに依頼を受けたよ。今日来てないメンバーもいるから、他のメンバーには端末から連絡を入れておくね」
「はい!」
「どうぞ、サクラ」
「私とサクヤは何を致しましょうか!」
後ろでサクラさんと七松さんが話しているが、僕の頭は真っ白だ
なんてこった……。高等部のみとはいえ、僕が主体だと…!?
あ、簡単に説明しておきますと、僕らの通う学校は中等部、高等部、大学部の三つありまして
中等部を一二三年生、高等部の一二三年生、大学部のみ一二三四年生となんとも微妙な呼び方をする
人によっては下級生、中級生、上級生とかいう人もいるけど
大学部まで行くと、自由登校だったりする人もいて人数も少ないし、働いている人もいる
自由が売りの学校とはいえ、そんなんでいいのかなぁとは思う
そんな中級生とも呼ばれる高等部の生徒は、いい大学に入ろうと猛勉強する人もいれば、そのまま大学部に決めて遊びまくってる人もいるから、そこそこ人もいるけれど、意外と仲が悪かったりもする
「高等部の依頼は簡単なものだから、気を張らなくて良いからね。」
そう言って僕の肩を優しくたたいてくれる
特別何も起こらない人もあれば、大事件が起きたりと色々だけれど
この学校は、とっても楽しいです。
そんな僕の日常