太陽が本気で目を潰しにきている
一見普通の高校生に見える男は言う
「相変わらず太陽が本気で俺の目を潰しにきている」
そう、彼は夏休みを満喫したであろう高校生だ。とにかく夏休み明けの学校というものは、敵意剥き出しに見えてくる。剥き出しでもなくても、長期連休の後の学校は誰も行きたくないであろう。
階段を上る足もだるそうだ。
教室に入る。そこには、話し掛けてくる友人の姿があった。
「おはよう、マサ、今季アニメ不作だな」
マサというのは、彼の誠広という名前からとったあだ名であろう。
「いやいや、不作じゃないでしょ。神アニメの2期がやってるでしょ」
「あったな、そんなの」
「制作会社がC-1Picturesだからきれいだし、キャラデザがカワイイし」
「いやいや東京アニメーションのほうが聖地に行ったとき細かいところが再現してるでしょ」
そのとき、扉を開ける先生の姿が見える。話は中断した。
そのあと、フルコースで授業を受けた。牢獄から解放される音がなる。『ピンポンパンポン』
皆この音を待っていただろう。彼は声を漏らす。
「家に帰ってネトゲしよ」
そう言いながら、足を帰路に向ける。そう、彼は帰宅部だ。
帰ってくるやいなや、PCを起動する。ゲームを立ち上げる。IDとパスワードを入れる。その瞬間、眩い光に包まれる。
ゲームの始まりだ。




