引越し
春と秋、新生活が始まる方が多い季節です。お盆の休み明け、転勤の内示を受ける方もちらほら出る時期でしょうか。
私は今、いわゆる団地に暮らしているので毎日のようにどこかの引越し会社のトラックを目にします。割と大規模な団地ですが、私と同じように転勤で来た方が半数以上で地元の方はそこまで多くありません。
今の住まいが生まれてから14箇所目の家になります。多いですか? 多いですよね。改めて数えて自分でも驚きました。ちなみに昔も今も転勤族ではありませんし、転校経験もありません。我ながらよくわかりません。
こんなに転居を繰り返しているせいか、持ち家というものに然程心を惹かれません。いえ、くつろげる室内環境は欲しいですが、その所有権を有する事に興味がない、という意味ですが。女性としてはきっと少数派でしょう。
というのも、女性は特に妊娠中など、巣を作り守るという雌としての本能が強くなって「自分の家」を欲しがったり、室内を装飾したりしたくなるそうです。
『ウチの嫁は持ち家、持ち家ってうるさくて……』とお嘆きの旦那さま。本能だそうです。家族が愛されている証拠と思ってくださいませ。
距離のある引越しも、同じ市内での引越しも何度も経験して実感したことは、住まいって「環境が大事」。家の間取りや内装なんかは、構造上のもの以外は工夫次第でどうにかできる部分が大きい。
でも、その家が建つ環境、これは工夫や自力で変えることはまず不可能です。建物の周りの道路、店、学校などの距離と方角。川や水路、駐車場、病院の有無。風の通り方。
よく間取り図だけを見て物件を探している方を見かけますが、周辺地図もよく見たほうがいいです。せっかくの南向きの窓が実は隣家に遮られてちっとも光が入らないとか、寝室が隣の家の駐車場に面していて深夜や早朝に車の出し入れで騒がしいとか。
実際に物件を見ずに契約する人は多くないでしょうが、先に読み取れていれば時間を無駄にすることもなく自分に合った良物件を探しやすくなります。
逆に、窓から見える景色がいいとか、近くに素敵な商店街があるとか。そういう魅力ポイントも間取り図には書いてありません。地図と物件案内を並べて、ウェブの地図サービスも活用して選ぶと楽しいです。
そんなことを考えると、風水なんかはそれなりに役に立つ面もあるのかな、と。要はあれ、人間が住みやすい環境を吉としているわけですから。過信は禁物ですけれど。住んでいる人が心地よいのが一番です。
そうはいっても急に環境が変わることもないとは言い切れません。
知人宅では、隣家が普通の民家でしたが急に持ち主が変わりリフォームしてお弁当屋さんになったそうです。都内で駅も近く近接して立っている為、朝6時前から揚げ物の匂いが一年中……持ち家で引越しも出来ないしと。御愁傷様としか言いようがありません……が、頑張れ。
ここに来て五年、人生で二番目に長く住んでいます。室内は少々手狭ではありますが分譲と変わらぬ設備で、棟と棟の間に緑地や広場が多くゆとりある環境の上に商店街もあり、住みやすく気に入っています。ぜひ記録更新出来るようにと願っていますが……どうでしょう。
どこに行ってもネットさえ繋がれば、こうやってなろうに書けるからいいのですが。そう思うと、選択肢は増える時代なのですね。




