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22/23

着る服がない

 

 2月も半ばを過ぎて、だんだん暖かくなってきましたね。水温む季節の変わり目は気分が浮き立つ一方で、いつも心が重くなります……だって「着るものがない」


 毎朝何を着ようかと、さほど大きくもないタンスの前で悩むことしばし。

 自作品では『自分が好きな服を着ればいいのよ』と言わせていて、その気持ちに一欠片の偽りもありません。しかし出来るなら似合う服を着たいというのは世界共通の女心ではないでしょうか。

 ファッションも嫌いではないですがそこまで情熱もないので(←アパレル店長の友人に怒られる。ハイ、ゴメンナサイ)スティーブ・ジョブズ氏のようにとまではいかなくとも、できれば数少ないお気に入りを着まわしたい。なのに困ったことに私、いわゆる「ベーシックアイテム」がことごとく似合わないのです。


 白シャツ→制服にしか見えない

 Tシャツ→千円のだろうが1万円のだろうが溢れ出る貧相感(特に白)

 ジーンズ→お前は履くなと前出の友人から

 ボーダー、チェック柄→囚人、そしてパジャマ

 ジャケット→スタッフだな。ネームプレートはどこだ。


 そしていわゆるナチュラル服はコレジャナイ感が半端ないので、消去法でカットソーやニットにスカートの「綺麗め」になってしまいます。ですがこういう服装って足元ストッキングかせいぜいタイツ、それでもってパンプスかヒールの靴、革の鞄……その格好でスーパーに? 歩くのが好きで駅一つ分くらい楽々なんだけど、それもパンプスで?

 正社員で働いていた時はそれで通勤着として問題なかったのですが、出産や度重なる転勤引越しで現在は毎日同じ時間に行くようなフルタイムでは働いていません。それに家の中でストッキングは嫌。靴だって、そりゃあヒールだって履けますけど普段はビルケンシュトックとニューバランス愛用です。快適一番。なんかもう、好きと似合うの乖離が面倒くさい。


 冬はいいのです。季節柄ロングスカートも多く売っていますし、それに合わせてスパッツや靴下も履けます。それに何よりコート(これもウールコート。ダウンも似合わないという残念仕様)とブーツで大体隠れます。

 問題は服装の軽くなる春先からです。そして輪をかけて悩ましいのが羽織りもの。スプリングコートといえばトレンチが多いですが、カジュアルとはいえ綺麗めな服にトレンチコートはあまりにも通勤着、そしてなぜか漂うフォーマル感……行く先はスーパーなのに。

 何かいい羽織りものがないかなあ、と探して早幾年。毎年適当にカーディガンやらで誤魔化していますが、本当にそろそろ欲しいです。ちょっと綺麗目な服とスニーカーにも合わせられる、軽めのコート。どこかに落ちてないでしょうか。


「好きな服」が「似合う服」と一致する人、そして何より「白シャツにジーンズ」が似合う人は本当に羨ましい。白シャツにジーンズなんてファッションの永遠の定番。足元スニーカーで自転車も楽々、駅までダッシュも気軽です。羽織りものだってトレンチコートからパーカーまでなんでもいけちゃう。

 シャツを少し端正なのにしてアクセサリーをすればちょっとしたお出かけも大丈夫。髪型だって、ベリーショートからゆるふわ巻き髪までオールマイティ。洗濯だって気負わない。何よりオールシーズン貫ける。ああ羨ましい!

 若い頃から何度となく試しては、その度に自他共に却下されて。多少似合わないくらいなら力技で押し切れますが、金髪背高の外人さんがキモノをつんつるてんに着るくらい似合わないので……もういい歳ですし、今から似合うように変わるとは思っていません。人間、諦めも肝心です。


 今年の春こそは何かいい出会いがあるでしょうか。とりあえず、散歩も兼ねて歩き回ってみましょう……と言いながらついうっかり本屋に寄って、お茶飲んで帰ってきたりして。



 ちなみに他に私が服飾で長年探しているものは「教師」に見えないスーツ。スーツを着ると、先生にしか見られないので困るんです。

 ノーカラーの白ツイードジャケットにコサージュつけてても教師。子どもの入学式の時も、保護者席側にいるのに「先生すみませんが、」って場所とか日程とか聞かれてしまいました。聞けば、黒板と指示棒が見えるのですって。なんでだ。



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