毎日のごはん
ありがたいことに感想などで小説の中の食事の描写を褒めていただくことがあります。自分としてはそこだけ意気込んで書いているつもりはないので、やはり性来の食いしん坊が顔を出しているのでしょう。
食べること…好きですね。ただ、毎日のごはんとなると手の込んだものは作りません。まあ、ハレの日も皿数が増えるくらいであまり変わらないのですが。
今は家族がいますので毎日ごはんを作っていますが、一人暮らしの時は滅多に自炊などしませんでした。母が働いていて夕食は妹と二人で作っていましたから料理はそれなりにできましたが、仕事で疲れて帰るのに一人分の食材を用意するのも手間ですし、単身者用のアパートのあの小さいキッチンで毎日料理をするのもしんどかった。大概、外食か半調理済みのものを購入して済ませることが多かったです。きちんと手作りしてらっしゃる方、尊敬します。
若い男性の方ですと包丁をお持ちでない方も珍しくはないようですね。コーヒーやラーメン用にヤカンや小鍋だけある、という方も。
やはり料理というのは、自分一人だけのためにするものではないようです。
先日は、そうですね。白米に茄子のお味噌汁、白滝の煮物、キュウリの浅漬け、メインはたっぷりの千切りレタスにのせた牛ステーキ。
ステーキなんていうと豪勢ですが、近所のスーパーで100グラム198円の特売でした。もちろん和牛ではありません。霜降りより赤身の方が好きなので、並んでいる中でもそういうのを選びます。
一人一枚ではなく、いつも大きいのを一枚どんと焼いて切り分けます。ニンニクをきかせたハーブソルトをすりこんで、ソースにはバルサミコ酢を使いました。
暑くてあまり料理をしたくない時は手間をかけずにさっと焼くだけのこういうメニューが増えてしまいます。休日で昼食を遅くとってしまったので量は控えめに。
こう書いてみると大して料理してないですね。そう、実は私のメインディッシュは基本的に白米です。米農家の親戚が丹精込めたお米を毎日、羽釜鍋で炊いてお櫃にうつして食べています。炊飯器は持っていません。
ずっと結婚祝いで貰ったルクルーゼで炊いていたのですが、あのお鍋、重いです。ちょっと病気した時に体力が落ちたら持てなくなりました。それで代わりを探したのですが美味しく炊けそうな炊飯器ってお値段びっくりするくらい高いです。で、謳い文句はみんな「羽釜で炊いたようなご飯が炊けます!」……なら、羽釜鍋で炊けばいいじゃない? ってなりました。
もちろんタイマーは付いていないのですが、火にかけて沸いてからは10分炊いて10分蒸らし、合計20分で食べられます。おかずとお味噌汁なんか支度してたらそれくらいすぐじゃないでしょうか。前の晩に研いで浸水さえしておけば朝起きてから炊いても間に合います。
保温機能の代わりにお櫃も手に入れました。両方合わせても炊飯器より安価です。丸洗いできるのでお手入れもラク。美味しいですし、今はこれで満足ですね。
お肉の下に敷いたレタスは朝食でお好みサンドイッチをした残りです。なんじゃそりゃ、ですがパンと具材を用意して勝手に作って食べてもらいます。簡単ですよ。
パンは8枚切りのを耳をつけたまま半分に切って薄くバターを伸ばします。レタスは洗って水気を拭き適当な大きさにちぎって、あとはトマトやハム、スライスチーズなど。火を使うのは軽く塩胡椒した炒り玉子だけ。好きに挟んで少々のマヨネーズやケチャップで各自調味してもらいました。レタス多めが好みです。
休日の朝に時々やりますが、前の晩の残りのポテトサラダなどが加わる時も。何もなーいっていう時は家にあるジャムを全部並べます。
レタスもトマトも茄子もキュウリも、みんな旬なのでどこのスーパーにも山盛り売っています。毎日のことですから手に入りやすい食材がいいですね。この時期はズッキーニもよく使います。ダイスに切ってスープにもしますが、炒めるとキュコキュコした歯ごたえが楽しくて。牛肉か豚肉と合わせて生姜をきかせた醤油味が好みです。
同じような見た目でも全く食感の違う冬瓜と夕顔。夕顔が好きですが、関東では冬瓜ばかりでなかなか夕顔にお目にかからないのが残念。あのやたら大きい瓜を赤子を抱くように抱える姿など見ると和みます……かなり重いですが。
夕顔は薄切りにして鷹の爪を入れて炒め煮にすると、ピリ辛の滑るような喉越しでごはんが進むので出汁煮よりも夏にぴったり。皮や種周りのワタ部分などの捨てるところが大量に出るので、調理はなるべくゴミの日の前日にします。空豆やトウモロコシ、スイカやホタテなんかもそうかな。
平日の朝食はあまり時間も食欲もないようなので、簡単にお茶漬けや塩むすびなんかが多いですねぇ…やっぱり作ってないじゃない、というツッコミは謹んでお受けいたします……す、涼しくなったら、作るんだ。って、これはフラグでしょうか。




