表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/23

名前と名付け

 先日、他の方の活動報告のなかで「最近の子どもの名前には滅多に“子”がつかない」という趣旨の話題がありました。

 自分の周りにいる子どもたちを思い出してみれば、確かにそうですね。私など、“子” がつくのが普通の世代ですので特にそう感じます。四十人近くいたクラスで(まあ、女子はその半数ですが)“子” がつかないのは「美幸」ちゃんとか「香織」ちゃんくらいでした。「彩」「真紀」「美穂」「加奈」どれも下に “子” がつきました。もちろん私にも、妹にも。それを思うと、北島マヤはキラキラネームでしたね。さすが主役。


 ここ、なろうでお話を書くようになって、名前については色々考えるようになりました。題名に始まり、キャラクターの名前、国名や地名など、小説にはたくさんの「名付け」が必要です。

 お話を考えるのは好きなのですが、名付けは苦手です。なので、私は基本的にあまり考えすぎないようにしています。外国風の名前は特に平凡・スタンダードに。今まで使ったのは、女性名は主役級でマーガレット、グレイス、エリザベス。端役だともう、アニー、メグなど略称のみだったり。男性だって似たようなものでマーク、ダニエルなんかです。


 実際、向こうの方達はあまり個性的な名前って多くありませんし。流行りは多少あるようですね。フランス名といえばジェヌヴィエーヴ(女性名)とかが浮かびますけど、今はぐっと短いエマとかイネスとかの方が人気あるみたいです。なので、クラシックな気分を出したいときは長い名前にするといいかもしれません。貴族のクリスティアーヌ奥様とかローズモンドお祖母様とか。おお、なんかそれっぽい。


 和名はもう少し気を使います。やっぱり、現代の十代の子に “子” は少ないと感じていたので多用はしません。あとは、ひらがなにしたり、年齢によって使う漢字を変えたり。例えば、今書いている連載の主人公は女子中学生の「遥」ですが、これアラサー以上だったら「春香」にします。

 女の子ほどではないですけど案外、男の子の名前も流行りがありますね。この辺は生命保険会社の統計が年別に出てるので眺めたりします。

 ちなみに私が子どもの頃は「藍」「蓮」などの字は名前に使えませんでした。「凛」もそうだったかな? こういうのも少しだけ気にします。少しだけですけどね。まあ、キリがないので大目に見てもらえるとありがたいです。


 特に小説内での名前は、その人を表す記号なのでなるべく簡単に、分かりやすく。考えても凝らない。だからうっかりすると、同じ名前をつい使ってしまっていたり。だいぶ書き進んでから、あれ! と気づいて慌てて名付け直したこともあります。

 苗字なんてもっと適当。スーパーでその日のレジを打ってくれたキャッシャーの方の名札見て決めたりもします。町内の地名とか、植物や色にちなんだ名前とかは、登場人物まとめてつけやすいですね。



 そんな事を改めて考えていたら、タイムリーに子どもが学校の宿題だと、自分の名前の由来を尋ねてきました。上の男の子は、祖父と父親の名前から一字ずつもらいました。なので、他に考えた候補はと聞かれても

一史かずふみか、史一だわねえ」

「……ふーん」

 何やら釈然としない顔の兄を見つつ、妹も参戦してきます。


「わたしは?」

「ひいおばあちゃんが、お母さんが生まれた時に考えてくれた名前があってね、それにしようかと思ったんだけど。結局、あなたたちの名前はお父さんが決めたのよね」

「ええ、ひいおばあちゃんの考えたのはどんなのだったの?」

きりちゃん。桐たんすの桐子ちゃん」

「……今のでいい」

 おう、なんだ失礼だな。いい名前じゃないか。確かに今っぽくはないかもだけど、却下になった理由はちがう。

「お母さん、いきしちに(・・・・・)、が言いにくいのよねえ。そうでなかったら付けたのに」

 ついでに言うと、


「お母さんと同じクラスにすっごく可愛い子がいてね、色素の薄い子で地毛がほぼ金髪だし、顔もお人形さんみたいに整ってて睫毛なんかポーって長くて。性格は素直で可愛いし、医大に行ったしっていうなんだかものすごい子が」

「なんて名前?」

「梅」

「ゆめ?」

「違う。梅干しの、梅。漢字一文字」

 どうにも納得しない表情の子どもたち。それなら、これはどうでしょう。


「お兄ちゃんのクラスの、修斗シュートくん。お父さんサッカー好きでこの名前って言ってたよね。修斗くん本人はサッカーは?」

「嫌い。金管(小学生のブラスバンド部)やりたいって言ってた」

「隣のマンションの、舞音まのんちゃん。音楽かダンスやってる?」

「マノンお姉ちゃん、なでしこジャパンになりたいって」

「あの子、僕より髪短いよ。この前のサッカー大会でハットトリックだって」

「カッコいいねえ。ね、お母さんたちが願いを込めてつけた名前かも知れないけれど、それをどうするかはその子の自由よ。好きに生きなさい」

「あー、よくわかんないけど、分かった」


「わたし、べつな名前にしてもいいの?」

「あだ名とかペンネームとか。改名までしなくとも色々できるよ」

「やったあ! じゃあ、チョコレートちゃんにする」

「……フランス風に、ショコラちゃんって呼んだるわ」


 翌日。

「おはよう、ショコラちゃん」

「今日はキャンディちゃんにして。明日はホットケーキちゃん」

「ねえそれ、食べたいだけじゃないの?」



 名付けって、なんだろうな。まあ、結局、どんな名前にしても満足なんてないんでしょうけど。好きなひとが心を込めて呼んでくれたら、どんな名前でもいいですよね。……なんて、甘めに締めてみたり。





本文中の名前は全て「仮名」です。

実際のこれらの名前に関し、侮辱したりする意図は全くありません。念のため。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ