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5ショートストーリーズ9

言葉を変えれば…

 何だよ、その化粧? おまえ、まだ学生だろ?

 カラコン?黒目が大きく見える?宇宙人みたいだぞ。

 ツケマだって、一歩間違えりゃ、ゲジゲジだぞ?

 チークだって、おてもやんみたいだ、おてもやん。

 それに、その眉、全剃りなの? 化粧とったら平安時代の人です

か?


 う~ん、その制服のアレンジもどうだろう?

 ミニスカはいいとして、股下0センチってなんなんだよ! せめて

膝上何センチとかなんじゃないの。風俗じゃないんだから。それに

靴のかかとは踏むんじゃないよ。ダラシナク見えるぞ。ただでさえ

ルーズなんだから。


 それに普通の通りで、大きな声でBLの話題はやめろよ。聞いて

るこっちが恥ずかしいわ。まぁ、偶然聞こえちゃってるんだけどな。


 バイトもサクラのエロメールってなんなんだよ? いくら効率が

いいからって、ちょっと考えてみりゃ良いか悪いか判るだろうが。

なぁ?


 それに帰宅時間! 門限が深夜の零時ってどーいうこと?おまえ

のご両親もよくないわ。オレが親だったら門限は九時にするけどな。


 え? うるさい? 黙れ? 関係ないでしょだって?

 アンタの説教なんて聴きたくないって?

 何様のつもり? 何言ってんのかまったく理解出来ないって?


 ええと…確かに今は関係ないけれども…まあなんだ、うん。そ

の…


 さっきの俺の発言は…言葉を変えれば…おまえのことが心配で…



……更に言葉を変えれば、……I Love You …ってコトさ…

 

              ***


 さて、これからがオチですが、まずはロマンチストの方用のオチ

です。

               *


 彼女はぽっと頬を染めると、彼のもとに走り寄って、彼を抱きし

めた。

「わかってる。もう何にも言わなくていいの。わかってるから。そ

う、言葉を変えれば…私も貴方の事が大好きなの!」

 彼女は思った。私の行動はすべて彼の気を引く為だったけど、そ

れは彼には内緒ね!


              ***  


 さて、次は現実主義者の為用のオチです。

               *


 彼女は眉を吊り上げ、真っ赤な顔をすると、怒りにまかせて彼を

目がけてとび蹴りをした。そして地面に転がった彼を見下ろして言

った。

「てめえ、キモいんだよ! はぁ?言葉を変えればI Love

Youって、てめえは外人か! 英語圏の人ですか? 違うだろが! 

英検四級も落ちたくせに!第一、てめえの説教や意見など、こちと

ら関係ないから! もう聞こえてないから! そう、言葉を変えれ

ば…死ねよ、この変態!」

 彼は薄れゆく意識の中で、そんな彼女でもまだ好きだな、と思っ

た。そう、彼はやっぱりドMだったのだ。


               ***


 さて最後は異世界、ファンタジー好き読者の為のオチです。

               *

 彼女は、彼の言葉が異世界への扉を開く呪文である事に気がつい

ていた。

「貴方様は、異世界の王となるべくこの世に生を受けたお方。今こ

そ闇の魔法使いであるこの私と共に異世界へと赴き、魔王の悪の手

から民衆たちを救うのです! そう、言葉を変えれば…チェンジ・

ザ・ワールド!」

 彼女はそう叫ぶと、彼を抱きしめた。と、二人はまばゆい光に包

み込まれ、一瞬の突風と共に、その姿をその地から消したのである。


               ***


 さて、これにてお終い。言葉を変えれば…おあとがよろしいよう

で!



言葉には 別な意味が含まれている場合もあるようですよ…

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