デート後。
離れ離れの恋愛。 隣同士のもどかしさ。
どちらも必死に手を伸ばしたところで、届かない。
貴方に触れたくても、少しも触れることはできなくて。
では なぜ、私は家に帰ることができなかったのだろうか??
それは、簡単に言ってしまえば『事故に遭ってしまったから』である。
私は彼と別れた後、 一人で家に歩いて向かっていた。
お店から通りに出て、彼と別れた直後はまだお店のイルミネーションや車のライトがあって眩しかった。
しかし、家に近付くにつれ 狭い通りからさらに狭い通りと、どんどんと細い入り組んだ道に入っていくと、最初は明るかった街頭が 次第に球切れ寸前の街頭に変わっていって、最終的には ほぼ真っ暗になり 月明かりでしか歩きようのない そんな場所にたどり着いた。
だけど、そこは私がいつも通っている道だから、 完全に安心しきっていたんだ。
でも、それが そもそもの間違えだった。
いつも通っているから、安心・安全? いやっ、そんなことはありえないんだ。
普段の何気ない日常の中に突然 意識せずとも現れるから、“危険”と呼ばれるんだ。
――そう、、、 本来ならば、安心しきってはならぬのだ。 いつ危険な状態になるのかわからないのだから。
『キィーーーーッッッツ!!』 『ドン!!』 ――――――― ――――― ――――― ――― ――
そうやって、ブレーキ音の すぐ後には、 私の死ぬ音が辺り一面に響いた。
そんな私は「苦しい」なんてことも、「痛い」なんてことも、 全く感じない。
そのただの一瞬で、私の人生は、 私の将来は奪われることになったんだ。
私には、まだまだやることがあったのに、、、 あったはずなのに、私は一瞬で死んでしまったのだ。。。
涙別れの儚き恋。 笑顔で去ることのできない辛い愛。
昔の自分は必死だった。 だからこそ、別れることになった。
今では貴方に近付きたくでも、 一歩を踏み出す勇気が出なくって。