表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

いつか見た虹の橋

営業帰りの空は不機嫌で、溜まったストレスを発散するように雨粒を地面に叩きつけていた。


「まいったなぁ」


突然の夕立なんて予想できるはずもなく、スーツの上着を傘代りに会社への帰路を急いでいた。


これならもう少しスタバでゆっくりしてれば良かった。


でも、帰りが遅くなれば上司に叱られるのが分かってるだけにゆっくりもしてられなかった。


地下鉄に乗り込み駅に着くまでの間に営業先との契約書に目を通す。


契約内容はこちらにとってベストとまではいかないが、妥協案としては許される範囲内だと思う。


上司への報告を考えているうちに電車が駅に到着した。


改札口を抜けると夕立は降ってなく、ストレス発散に当てられたコンクリートが水溜まりをつくっていた。


機嫌を直した空は、街をオレンジ色に染めた。



オレンジ色の街を会社に向かって歩いて行く。



ビルに反射した沈みかけた太陽に目を細めながら、ふと見上げた先に虹を見つけた。



虹なんて、いつぶりに見ただろう。



懐かしい景色が頭を過る。雲と雲を架ける虹。背の高い花の草原に寝転び見上げた空に架かっていた。



あれはいつの頃だっただろう。思い出の中にある背の高い花の名前は、いったいなんだったろうか。



微かな記憶を辿っても何も思い出せそうになかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ