下心拒絶反応
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
この物語の全ての人間に語りかけます。
『許せるなら、許してあげてね。どうしようもない事だから』
男女問わず、下心を持って接されるのは生理的嫌悪感が伴うものである。ただそれに軽蔑の意向を持って接するならば問題はないと思うのだが、その一線を越えそうな子もいる。
私の友達はその類の人間だった。兎にも角にも下心が許せない。下ネタも嫌い。目の前で言われたならば、当の本人の意思に関係なく何かしらの問題が起きる。
一緒にショッピンモールの長椅子で友人を待っていた時のこと、彼女はスマホを弄っていた。よくある在り来りな光景だった。しかし突然立ち上がると、顔が真っ青になり、口元を抑えて、駆け出した。駆け出した先は火を見るより明らかだった。
次に戻ってきた時には青い顔した彼女がそこにいて、まだ体調は良くない様だった。
「いきなりどうしたの!? お昼が合わなかった!?」
「あ……あの……そうじゃないの……そういう訳じゃないの。ごめんね」
それでも余りに彼女の具体が悪そうで、とりあえず早く帰す事にした。
彼女を返した後、本日遊んだもう一人の友人と共に列車を待っていた。気になるのはやはりあの子の事だった。
「……大丈夫かな? 明日学校来れるかな?」
「あぁ知らないのか。……あの子……ちょっと潔癖症入っててね。下心と下ネタが本当に駄目なんだ。例えば『○○のパンツの色は白』とかね。これだけでも一発アウト。見ると嫌悪感から吐き戻しちゃうくらい。なお、当の本人は自覚ない上に、指摘したところで認めたがらない」
彼女は淡々とそう言った。まるで私達に出来ることなど何もないと言うように。そういう話を禁忌にするしか、あの子を守れないという様に。
『君、人間の下心大嫌いでしょう? 男の人が自分の大きな胸見ることとか、若い男相手に胸元の釦開ける女の人、本当に許せないくらい大嫌いでしょう? 目の前にそれを映す媒体があったら壊すか、居たら殺そうするでしょう?』
そんな事ない。そんな事ないよ。一生懸命頭を振って否定する。それでも彼女の言う事はあながち間違いではなくて、其れが私を苦しめる。
下心や下ネタを見ると、感情に嫌悪感が沸く前に、胃の中のムカつきが先に来るのだ。其れは我慢出来なくなる程酷くて、何時も突発的に走り出してしまう。
「うっ……ぅぅ……ぐすっ……ぅっ」
関係ないじゃん。関係ないないじゃん。下心でも、下ネタでもないじゃん。『男性恐怖症の子と付き合いたい。男慣れしてなさそうで良い』って。何が駄目なの? 一体何が? それでも思い返す度に鳥肌が立って、胃がムカついて、またトイレに籠る。吐くものがなくて胃液を吐いた。
「最低だ……私……」
人間なのに。当たり前なのに。それを受け入れられないなんて。
現実では『許す、許せない』の問題は難しいので、この物語の人間達に言ってます。
男女問わず下心を持って接されるのは嫌なものです。
恋愛において一番拒絶されるのは『誰でも良い』ということ。その最もたるが『下心』だと思います。
『ヤレればいい』、『気持ちよくなれれば良い』、『ぶっちゃけ誰でも良い』。
『それは人ではなく、道具の扱いだよね? そこまで私の価値を下げるなよ』 そう思うのは多分誰しもあるのではないでしょうか?
それでも『軽蔑する』『関わらない』、その程度の心情で済んでいるとは思いますが。
これはその程度では済まなかった潔癖症の話。
下ネタも嫌い、下ネタで盛り上がる人も嫌い。
これ、感情で理解してないんですよ。体で理解してるんですよ。
それは言葉で『お前達、本当に気持ち悪い。死ねば良い』と言わず、吐き戻す、物を壊す、そしてそれを『それくらいは当たり前なんだから』と自分に言い聞かせて、納得させようとしてる事でもお分かり。
あんまりこういう子、虐めないで欲しいなぁ。
過度に、下ネタ、下心に晒して、干渉しないであげて欲しいということです。
割と多いんですよ。
『恐がる反応が、嫌がる反応が好きだから言う』って。剰え『ドM』とか言い放つ方。
無理なら無干渉が一番幸せなんですよね。