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ゲームのルール

「えっと、ボクの銃は短いと思うんだけど、不利じゃない?」

「エアガンの弾の飛距離ってほとんど変わらないから大丈夫」


 勘違いされがちだが、きちんとしたエアガンは実銃と違って弾の飛距離に大きな差が出ない。

 コンパクトなサブマシンガンでも大型ライフルでも射程はせいぜい50m程度だ。


「アレでも、ソラの銃と大差ないから」


 バレットM82がテーブルに出ているから聞いてきたのだろう。

 1m50㎝くらいの超大型のライフルだ。

 あんなもんゲームで絶対使わんだろ。

 見せたがりの多い趣味だからしょうがないけども。


「あれもそうなんですけど、みんな映画の特殊部隊みたいじゃないですか」


 確かに他の連中はM4、M14 、86式小銃、M40やM870など比較的長い銃ばかり持っているから。

 極端に短いMP7だと勝負にならなく見えるかもしれない。


「あまりにも面白くなかったら、俺の銃と交換するよ」


 ちなみに今回の集まりは全部で10人の貸し切りだ。

 準備しているうちに9時になって、ゲームを始める時間になった。

 フラッグの位置が書かれている地図の前にみんなで集まる。

 

「今回、初めての初心者がいるんで自己紹介してもらいましょう」


 ソラに目配せして、みんなの前で自己紹介するように促す。


「えっと、葛木空かつらぎそらです。今日はよろしくお願いします」


 ペコリと頭を下げて挨拶を終える。

 パチパチとまばらな拍手がおきる。


「はい、ありがとうソラちゃん。で、ゲームの説明をします」


 ゲーム前のミーティングを竹内が始める。

 ゲームについて長々とした話しをまとめると、

 弾が自分に当たったら、「ヒット」と宣言し両手を挙げる。

 その時点で当たった人は退場、手を挙げたそのままネットで仕切られたフィールドの外へ出る、ただし今回は復活ありルールとなる。

とりあえずフラッグを取るまで何回でも復活あり、復活方法は自軍のフラッグに触れること。

 復活するための道中は必ず歩くこと。 復活した場合はその時点から戦闘に復帰できる。

 先に相手陣地のフラッグ、と呼ばれる目印の旗がある地点にあるブザーを鳴らしたチームが勝ちとなる。

 ここでいくつかの疑問が出ると思う。

 一番大きい、当然の疑問をソラが投げかけてくる。


「弾が当たったら、って撃たれたところに色が付くとかするんですか?」

「いや、自己申告だよ。って言っても直に肌に当たったらアザになるくらい痛いから、当たったら気づくよ」

「・・・・・・もし、痛いの我慢できたら?」

「難しいところではあるけど、耐えられなくなるまで撃ち込まれると思うよ」


 自己申告制のサバゲーあるあるなのだが、ゾンビ、と言って、当たっても当たってないふりをして続ける人も結構いるのだ。

 高確率でトラブルになるので禁忌になっている行為である。


「正面きっての撃ち合いは相打ちもあるから、復活なしだと相打ち終了もよくあるよ」


 そのほかの細かいルールは、

 味方からでも撃たれたらヒット扱い。

 目視できる跳弾でのヒットは無し。木やバリケードから半身だけ出して撃つのも無し。

 ヒット者へのオーバーキルは控える。

 グレネード類は無し。

 そんなところで説明を終え、ゴーグルをつけて、いったんみんなで撃ち合いとなるフィールドへ入って地形の確認をする。

 フラッグの場所、広さや、身を隠せる場所を確認するのはもちろん、立ち入ると危険な場所をチェックしていく。


「うわ、すごいおおきな蜘蛛いますよ」

「ああ、危ないかもだから虫にも注意してね」


 こんな自然たっぷりの場所で藪の中に伏せてスナイパーする猛者もいる。

 ゲームとはいえみんな本気だ。

 そんなことをしようとも、もう大人だから自己責任だ。


「ソラ、念のため耳を予備のスカーフ覆っておけば?」

「そうしておきます」


 ソラは5枚で1束で売っていたスカーフを両耳に巻いた。

 1週したところで、赤チームがAから、黄色チームがDのフラッグポイントからスタートして始めることになった。

 簡単にフラッグの位置を説明すると、

 ABCがそれぞれ南西、南、南東、

 DEFがそれぞれ北東、北、北西の位置にある。

 各地点の距離は全部100mくらいだ。

 フィールドからの出口は南と西に2カ所ずつある。

 それぞれの地点にブザーを置き、マガジンを装填してセーフティを外す、無線で準備が完了したことを伝え合う。


「じゃあカウントダウン、3、2、1、開始!」


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