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サバゲー

だんだん気温が上がってきた7月初旬のことだった。


「ソラちゃん、今週末に大学の同期からサバゲーの誘いが来てるんだけど一緒に行く?」

「! あれですよね、エアガンで撃ち合うやつ!」

「そうだよ」

「もちろん行きます」


 もちろんなのか。


「装備って持ってないよね?」

「はい、何も持ってないです・・・・・・」

「なんか特殊部隊とかの恰好とかしてみたい?」

「いえ・・・・・・普通で」


 じゃあ、上は迷彩ジャケット、下はジーンズとかでいいかな。

 武器は俺の持ってるやつ貸せばいいし。


(あ、)


「目にはゴーグルが必須なんだけど亜人用のってあるのかな?」

「どうでしょう? ・・・・・・ありますよ」


 ソラは必要なものをスマホで調べている。

 よかった、亜人もちゃんと参加できそうで。


「そういえば、亜人って眼鏡かけてるの見たことないかも」

「なんか私たちって視力が落ちにくいらしいですよ」


(へー、知らなかった)


 ソラは通販サイトでゴーグルの画像を見せてくれる。

 ゴーグルは首と頭の後ろにバンドで固定するタイプだった。

 耳が上にあるから人間用とは違う感じだ。

 俺は通販サイトを見ながら、安くて、必要なソラの体系に合いそうなものを次々にカートへ入れていく。


「・・・・・・一式揃えると結構かかるな」


 俺はちまちま揃えてたから気づかなかったけど、エアガン以外も金が掛かるな、この趣味。

 一番高いであろう本体が家にあるのが救いだ。


「ホルスター、腰と足どっちがいい?」

「お任せしま~す」


 (じゃあ腰かな)


 この辺も千差万別、十人十色の趣味だからなかなか難しい。


「・・・・・・よし、これで注文っと」


 3日くらいで届くから土曜には余裕で間に合うだろう。



 そうこうしてるうちにあっという間に週末になった。

 土曜日の朝6時、サバゲーマーの朝は早い。

 装備をバッグ2つとガンケース2つの計4つ、ソラのは軽くて動きやすい装備にしてみた。


「高速乗るんですよね? 今日はボクの車で行きましょう」

「ソラちゃんって免許持ってたんだ?」


 荷物を持って駐車場に向かう。

 ソラは持っていた電子キーのボタンを押す。

 ピッピッという音と共に俺の軽自動車の隣が反応する。

 

(って、)


「これ、ソラの車だったのかよ!」

「あれ? 言ってませんでしたっけ?」


 月産自動車のスポーツタイプの車だった。

 軽く数百万円する高級スポーツ車だ。


「・・・・・・お金持ち?」

「えっと、卒業祝いと入社祝いと結婚祝いだそうです・・・・・・」


 結婚祝いを前払いで貰ったらしい。


「やっぱり車も速いのがいいじゃないですか」

「俺にも運転させてくれ」

「もちろん。いいですよ」


 よし、この車に乗れるだけでサバゲーどうでもよくなってきた。


「じゃあ出発しましょう」


 ガンケースをトランクに入れて、バッグは俺の足元へ置いた。

 目的地には1時間半ほど、埼玉県の山中にある山林とバリケードメインのフィールドだ。

 早い時間帯なので、さほど高速の渋滞もなく、休憩のサービスエリアに着く。


「こっから俺が運転してもいい?」

「どうぞどうぞ」


 トイレ休憩を済ませて車に戻る。

 今度は俺が運転する番、スポーツタイプだがオートマ車だ。

 アクセルを軽く踏み込む。


「うお。すげー加速」

「でしょー、一回乗ったら普通の車に戻れませんよ」


 ソラはご機嫌だ。

 このあとヒット取られまくって落ち込むだろうし、今は機嫌よくいてもらいたい。

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