表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/20

遊園地 脱出ゲーム

「非常口マークのドアの先には、ギブアップ用の通路、トイレや飲み物があります、って」

「そこはちゃんとしてるのな、じゃあ進んでみるか」


『隔壁閉鎖中、端末からパスコードを入力してください』

 

 ドアの前に立つと、機械音声が流れる。

 次に進むであろうドアの横に、6桁の番号式の鍵がかかっているらしい。


「どこかにヒントがあるんでしょうかね?」

「そうじゃないか? 探してみよう」


 俺たちは手分けして、部屋にある機械類やファイルを捜索してみる。


(流石に機械類の電源は入ってないな)


 機械類は、ただの演出用の小道具らしい。

 

「ソラ、ファイルに何か入ってた?」

「いいえ、ヒントはなさそうです」


 電子化された今ではほとんど見ない、紙がファイリングされている。


「じゃあコレか?」


 俺はパソコンの電源を入れる。

 古い見た目と違って、パッとモニターに画面が表示されている。

 デスクトップには、いくつかのアプリケーションが表示される。


(ん? 1つだけファイル形式だな)


 画面をタッチしても反応がない。


(・・・・・・ああ、コレを使うのか)


 そう言えば昔のパソコンは、マウスっていうのでカーソルを合わせて開くのを思い出した。


(確か、2回押せば・・・・・・)


 ファイルの中にパスコードと書かれたメモを発見する。


「ソラ、672095だって」

「わかりました」


 ソラがドアの横にパスコードを打ち込む。


『ロック解除、ドアを開きます』


 先へ進むドアが開かれる。


「うっ・・・・・・」


 ソラが呻いて、手で鼻を覆う。

 パソコンを操作していた俺の方にも臭いが漂ってくる。

 俺も思わず顔をしかめる。


(なんだこれ?)


 強い鉄錆の臭い。

 見ると、ドアの先の通路は赤黒いシミで埋め尽くされていた。


(まさか本物の血、ってことはないから演出だよな?)


 俺たちは通路の前に立つ。

 次の部屋までの数メートルある通路の左右は、透明な窓になっている。

 遠目からではよくわからないが、人影のようなものが見える。


「進もうか?」


 どちらからというわけでもなく、2人で手をつなぐ。

 俺たちは2人で次の部屋への通路に入る。


『バァン』


 すごい音と共に右手側の窓ごしに血まみれの人? たぶん人形、が叩きつけられる。

 音に驚いて一気に心拍数があがる。


「!!」


 ソラが俺を背中側に回して前に立つ。

 窓の奥には人形を吹き飛ばしたと思われる化け物がいた。

 大きさは2mくらい、ミミズのようなほっそりした体に、甲殻類を思わせる固そうな外殻、鋭い爪のついた腕に太い足。

 目は退化しているのだろうか? 眼球は潰れて、音や匂いに反応するような見た目に見える。


(大昔に流行った映画に出てきた感じだな)


 俺たちは息を殺して、そいつの動向を見守った。

 ガサガサという音を立てながら、そいつは天井の通気口へ体をくねらせながら入っていった。

 するとスマホの通知が鳴る。

 俺はビクッとしながら左手でスマホをいじって通知を開く。


『船に侵入した宇宙人に捕まるとゲームオーバーとなります、注意して先に進んでください』


 だそうだ。

 

(? ソラが固まって動かない?)


 ポケットにスマホをしまって、ソラの肩を叩く。

 ソラはピクっと反応して、手をつないだままこちらに振り向く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ