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遊園地

 暑い夏もあっという間に過ぎ去った。

 季節は9月も後半。

 ソラは毎日、練習漬けといった感じで、疲れて帰ってきては、翌日朝の練習に備えて寝るようになっていた。

 会話するのも夕食時と休日の短い時間に限られていた。

 

「遊園地のペアチケットが当たったんです!」

「そうなんだ。大きいとこ?」

「とっても広くて、新しくできた、1日50組しか入れないところですよ!」


(そんなんで採算採れるのかな?)


「普通に入ったら数万円くらい掛かるところなんです!」

「それがタダで入れるの?」

「はい!」


 にこにこしながら喋っている。

 ソラはご機嫌のようだ。


「日付が指定されてるので、次の火曜日に有給休暇を取っていきましょう」

「いいよ」


 そんな訳で平日の火曜日、朝から電車を乗り継ぎ目的地へ。

 都心から少し離れた場所、土地が安いからだろうけど、少し不便な場所。

 車で行かないのは、疲れて運転する気が無かったら面倒だからだ。

 さらに駅からバスで数十分かけて移動して到着した。


「入場には機械に個人証明と入場チケットをかざすみたいです」

「わかった」


 いくつかの事前アンケートを入力したのち、ソラから電子入場チケットを分けてもらい、認証すると、


『お待ちしておりました、2名様、案内の地図に従って物語の始まりの場所へ向かってください』


 入場ゲートから機械音声と共に、あらかじめ入れておいたスマホのアプリが起動され、目的地が表示される。

 目的地とアトラクションの開始時間が書かれているので、そこへ向かうように歩き始める。

 ゲート付近には入場者の姿がまばらに見えた。


「ここに向かえばいいのかな?」

「はい。行きましょう」


 とても広い通路を歩く。

 ここでは周りには誰もいない。

 歩く先は、なんというか無機質で宇宙船っぽい閉鎖的な通路?


「ここって毎回違う展開になる、っていう遊園地なんだっけ?」

「そうみたいです。数種類のエリアがあるみたいですけど、人数、年齢や性別、入場回数とかでやることが変化するらしいです」

「ふ~ん、1日50組っていう人数制限があるのもそのせいなのかな?」


 歩いて行くと、さらに開けた場所に着いた。

 中には古めかしいモニターやパソコン、使用方法のよくわからない機械類、金属の机やファイルが並んでいた。

 2人でそれの近くによると、入ってきた入口のドアが閉まる。

 部屋になにかのアラームが鳴り響く。


『緊急事態発生! 緊急事態発生! 当艦は非常事態につき2時間後に自爆します。乗組員は直ちに艦外へ脱出してください』


 その音声と共に、スマホに説明文と制限時間のカウントダウンが始まる。

 説明文をソラが読み上げてくれる。


「えっと、あなたたちは宇宙船の乗組員です、先へ進んで2時間以内に脱出してください」

「要は脱出ゲームっていうことね」


(自爆しなきゃいけないのは、よくわからん設定だけども)

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