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ランキング1位の攻略者、元異世界を救った救世主  作者: 蒼本栗谷
二章 エルフ族のティカ、異世界より参上
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第十八話

「ふぁあ……」


 学校に向かう。あの後は特に何もなかった。

 ティカは俺に家なら自由に過ごしていいと言ったから多分、家からは出ないはず。

 あと予備として使ってたスマホがあったから操作方法とか色々教えて渡した。多めにスマホ買っておいてよかった。普段使いとゲーム用のスマホ。

 向こうの言語の名前は日本語ではないが、言語自体は同じだったので読みとかは特に苦労せずに済んだ。ご都合展開感凄い。神様がそこらを上手くやってるんだろうけど。正直助かる。


「律くん! おはよ!」

「おはよう」


 いつものように高坂が俺に話しかけてきた。何を考えてるんだか、俺に毎朝挨拶をしに来る。あと時々話しかけてくる。

 好かれてはいるんだろうけど、なんだかな。無理してないか心配になる。

 ダンジョン潜れなくなったみたいだから配信もできない。高坂は承認欲求強そうだからそういうの堪える気がする。じゃなきゃあの時一人でダンジョンなんかいかないと思う。褒められたがり? もしかして家族仲そんなによくない? 

 まあ、気にするだけ無駄か。俺には関係ない。

 高坂は俺に挨拶をしてからクラスの輪に戻って行った。

 スマホを見るとティカから連絡が来てた。


『りつ』

『ティカ、どうした?』

『れんらくしてみました。うまくできているでしょうか』


 操作少ししか教えてないのにもう文字打ててる。スマホは最初慣れないよな……。


『上手くできてる。漢字は使える?』

『漢字見つけました。出来てますか?』

『うん、出来てる。でも俺そろそろ授業だから、何かあったらここに書いて』


 漢字の項目見つかったのか? よかった。平仮名だらけでも読めるけど、漢字ありの方がありがたい。

 もうすぐ授業が始まるなと思っていたらティカから『がんばれ!』のスタンプが届いた。かわいい……。もうスタンプまで覚えたんだ。流石。

 それから授業が始まってスマホを鞄の中に入れた。


<>


「ねえ律くん。今日スマホ見て笑ってたよね、誰から?」

「……普通それ聞く……?」


 放課後になった時、高坂が話しかけてきた。なんで聞くんだ。何で???


「気になるの、教えてよ~」

「知り合いだけど……面白いスタンプ送ってきたから笑っただけ」

「見せて?」

「……んん? は?」

「みーせーて」


 待て待て待て???? 高坂どうした? そんなに連絡相手気になるか? なんだ?

 高坂は手を差し出して見せろの構え。見せないけど……。


「人のプライベート入ってくるな」

「見せてくれないの?」

「見せる奴いる?」


 プライベート見せる奴いる? いないよな??? 俺可笑しくないよな?

 高坂はむっとした顔をしてる。何なんだ。


「もしかして、この子?」


 高坂はスマホの画面を俺に見せてきた。そこには俺とティカの写真。おい。おい????? これっおま……盗撮?


「お前、それは駄目だろ。なんで盗撮してんだよ」

「この子かわいいよね。律くんの顔すっごく嬉しそう。秋ちゃんに見せた顔とは大違い」

「聞けよ」

「この子誰?」


 話聞いて? 高坂大丈夫か??? 色々と今やばいぞ??? 目にハイライト宿ってないぞ……? え、怖い。高坂が怖い。


「ねえ、律くん。この子誰?」

「いやっ、おま、こわ……」

「律くん?」


 高坂が俺に近づいてきた。思わず後ずさる。怖い。何? 俺何かした?! 


「っ……『テレポート!』」

「――リツ?」

「はあっ……はあっ……」

「リツ、どうしたの?」


 思わず魔法を使って家まで帰ってきてしまった。

 こっっっわ……こわ……。別の命の危険を感じた。

 ティカが俺に近づいてくる。怖さはない。


「リツ……?」


 ……高坂って俺の家知ってたよな? それに、父親は政府の人間……。

 スッーーー……。やばい。


「ティカ、今日は何処にも行くな。家の戸締りするぞ」

「? 分かりました」


 すぐに家中の鍵を閉めてカーテンも閉めていく。

 鍵を閉めてる間高坂の事を考える。

 好かれていると仮定してあの行動……そういえば前に好きな人がいるかどうか聞かれたような……え。いや、え?

 恋心抱かれてる……? いや、え? どこでそのフラグ立ってた? あり得そうなのは助けた日……吊り橋効果だろあれ……。

 なんでっ、なんでこうなる!? 俺は平穏に過ごしたかったのに……しかも向こうにティカが知られてる。

 絶対やばい事になる……。

 鍵を閉めてから俺は頭を抱えた。最悪な事になる未来しか見えない……。



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