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ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。  作者: トロ猫


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到着

 ガタガタと揺れる馬車の激しい動きを懸命に耐える。

 舗装されてない道を馬車で進むはこんなにも揺れるの? 目の前に座るロワーズに尋ねる。


「これ、普通?」

「ああ」

「はい」


 お尻がすごく痛い。舌を噛む可能性があるからお喋りも最小限で済ませる。安定していたソリ馬車がとても恋しい。

 この馬車は幌馬車のような長距離用みたいだけど、多分サスペンションとかは使われていない。数分に一度、自分と子供たちの尻にヒールを掛け……とにかく早くこの苦痛から解放されることを期待して、ただただ耐える。馬車が二時間ほど走ったところで先を行く御者の騎士の声が聞こえる。


「休憩のために停まるぞ!」


(やっと休憩!)


 馬車を降り、子供たちと共にぐったりした表情で場所を降りる。ロワーズやハインツは、慣れているようで平気そうだ。

 辺りを見回すが、荒野が広がっているだけの場所だ。雪景色とは違うけれど、肌寒いのは変わらない。騎士の一人が手を上げ言う。


「休憩は終わりだ!」

「え? もう?」


 思わず、小さく不満を口にする。渋々と馬車に乗り込むと再びガタガタと揺れ出発した。

 とりあえず、私と子供たちの尻痛問題を解決したい。ウォータークッションをイメージして水魔法で作った物をお尻の下に敷いてみると少しはマシになったけど……今度は腰が痛い。


「エマ、これはなに?」

「シオンも座ってみる?」


 魔法で作ったウォータークッションに乗せると、シオンから歓喜の声が出た。


「わぁ。フワフワだよ」

「そんなにか!」


 隣で興味深そうに尋ねるアイリスにも水魔法のクッションを作り、座ってもらう。


「どう?」

「これ、全然尻が痛くならねぇな」


 いろいろ試して、最終的にウォーターベッドのような物を馬車の床に敷いて子供たちと寝転がっていたらロワーズに視線を逸らされながら『やめよ』と注意された。


「ダメですか?」

「流石に限度がある」


 確かに寝転がるのはやり過ぎたかもしれない、と反省して今はドーナツ型のウォータークッションに座っている。

 それから道中は特に何もなく延々と荒野が続いたので、ロワーズに尋ねる。


「この辺りは誰も住んでいないのですか?」

「冬場が厳しいからな。北の砦から北部には住民はいない」

「そうなのですね」


 それからまた数時間、休みを挟み夕方前に馬車は北の砦が見える場所まで進んだ。

 御車席の後ろからシオンと一緒に向かっている北の砦を覗く。アイリスは興味がないようで胡坐を掻きながら欠伸をする。シオンは目を輝かせながら北の塔を指差す。


「すごいね」

「うん。すごいね」


 砦と言うから、もう少し小規模な場所を想像していたのだけど……これはどこからどう見ても立派な城だ。 

 北の塔の検問まで馬車がたどり着き、シオンと砦の壁を馬車から見上げる。三階……いや、四階建てくらいだろう十メートル以上の壁がある。アイリスは慣れた様子で無関心だ。もともと北の砦にいたので見知った場所なのだろう。


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