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ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。  作者: トロ猫


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北の砦への帰路

 ついに北の砦への出立の日になった。

 昨日? 昨日は一日中、天幕からは出ずに、のんびり過ごしながら精神的な疲れを癒していた。一日中シオン、アイリスと共に魔法で遊んだり、新しい紙芝居を披露したりした。紙芝居はなぜかアイリスには不評だったけどね……三匹のオークの話だったのだけれど、妄想魔法で創り出したオークがリアル過ぎたのだろうか? 実物を見たあとだったから、いろいろリアルすぎる部分には妄想モザイクも掛けたのだけど、アイリスの突き刺す視線で早々に消した。

 アイリスの荷物はほとんど無かったけど、全員分の荷物はエコバッグに入れた。

 レズリーを含む騎士たちの第一団は一時間ほど前にすでに出発したそうだ。私たちとロワーズは第二団の出発隊で北の砦へと向かう。

 薄着のアイリスには、コピーしたシオンのマントを羽織らせた。アイリスには少し短いけど、これくらいなら大丈夫だと思う。みんなでマントがお揃いだ。リリアは第一団で出発したので、マントが増えていても誰も気づかなかった。

 騎士たちに案内されロワーズの待つ場所へ合流する。


「おはようございます」

「ああ、寒いだろうから其方たちは先にソリ馬車に乗り、出立まで待ってくれ」


 乗れと案内されたのは、ソリ馬車と言われる乗り物だった。犬ゾリとかを想像してていたのだけれど……頭以外全身に毛の生えた二匹の大蜥蜴が馬車に繋がれていた。この二匹がソリを引くらしい。蜥蜴というか……小型の恐竜にしか見えない。ややソリ馬車に乗るのを躊躇していると、ロワーズが笑いながら言う。


雪石竜子スノーリザードだ。性格は温厚だから怯える必要はない。可愛い奴らだ」


 ここの蜥蜴は冬眠しないのか。彼らのスキンヘッドの頭はツルツルとしていて、表情は幼い。たまにチョロっと舌が出るのは確かに愛らしい。

 シオンとアイリスと共に乗り込んだソリ馬車は毛皮で敷き詰められていた。暖かくなかなか心地が良い。毛皮の情報収集をする。


 ウルフの毛皮

 良品

 市場相場:銀貨5枚


 毛皮は一枚銀貨五枚だ。お金の価値が分からない。後で誰かに尋ねよう。

 毛皮の上に座り小窓から外を眺めるアイリスとシオンに声を掛ける。


「二人とも乗り心地は大丈夫?」

「あったかいね」


 シオンはニコニコと答えると、アイリスも毛皮を撫でながら頷いた。

 少しして出発の時間になり、ロワーズとハインツが同じソリ馬車に乗り込んでくる。


「エマ様、こちらをどうぞ」

「ありがとうございます」


 ハインツに渡されたのは人数分のひざ掛けだ。シオンとアイリスに先にひざ掛けをかけ、自分にも使う。


(温かい……)


 なんの素材だろう? スキルで調べると山熊の毛皮と出た。市場相場はひとつ銀貨七枚だった。


「エマ様、ソリ馬車は通常の馬車より安定してますが、雪の上を滑りますので速度が上がり左右に揺れる場合がございます。シオン様たちもお気をつけください。必要でしたら設置されている紐を握って下さい」

「分かりました」


 紐は天井と席の横にも配置されていた。


「出発しろ」


 ロワーズがそう御者の騎士に声を掛けると、ソリ馬車がゆっくりと動き出した。

 長くて短い……いや長かった野営地生活を横目に小さく別れを告げた。


 野営地から抜けると、ソリ馬車の速度を増しながら進んだ。ソリ馬車に当たる雪の音に時折馬車が軋む音は聞こえたけれど、基本安定して走行している。ソリ馬車を引く蜥蜴たちに感謝だ。


「大丈夫か?」


 静かにシオンと外を見ていたのを不安と思われたのか、ロワーズに気を使われてしまう。


「はい。思っていたよりとても快適です」

「それならよい。ハインツ、エマたちに今後の予定を説明してくれ」


 ロワーズはそう言うと、ハインツが微笑みながら説明する。


「ギランの森の入り口には、途中二度の休憩が予定されております。昼ごろには到着するかと思われます」


 二時間ほどソリ馬車で走ったところで最初の休憩に入った。

 ロワーズと騎士たちが辺りの安全を確保するとソリ馬車の扉が開き、足踏み台が設置される。


「段差に気を付けよ」


 自然にロワーズが手を差し出してくる。普通にジャンプして飛び降りる予定だったけど、大人しくロワーズのエスコートに手を添える。


「ありがとうございます」


 シオンはハインツに、アイリスはロワーズに抱えられソリ馬車から降ろされる。アイリスのあの「解せぬ」とでも言いたげな表情がなんとも言えない。

 設置された隔て板はトイレ用だというので、見張りがいるのは少し恥ずかしかったけどそれぞれ用を足す。

 休憩が終わりソリ馬車に乗り込むと再び森を進む。すぐに子供たちは私を膝枕にして寝てしまった。




 

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