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ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。  作者: トロ猫


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妄想魔法の活躍 

 魔力が大量に放出されたと思ったら、天幕の中が埋め尽くされるように真っ黒になった。ハインツの顔をしたバロンが左右を必死に見ながら胸元に仕込んでいたナイフを振り回す。


「クソアマ、何をした! 何処にいやがる? なんだこれは?」


 不思議なことに、こんな暗い中でも私には奴の姿がはっきりと見える。そんなスキルは持ち合わせていなかったけれど、もしかしたらこの暗闇が私の魔法だからかもしれない。


(これなら、断然私が優位ね)


妄想魔法でバロンの足元を真っ白な空間に変え、周りの黒い空間からは血まみれの手を登場させ襲わせる。


「ヒィィ。なんだ、これ。やめろ。やめろ」


 襲わせると言っても、妄想魔法は所詮触れることは出来ない。怯えるバロンの足元にまるで奈落の穴に落ちていくかのような3D映像を妄想魔法で出す。逃げようとするバロンを風魔法で阻止、そのまま落ちて行く感覚になる地獄の景色の妄想魔法をお見舞いする。


「うわぁぁっぁぁぁっぁ」


 倒れて顔を守るバロンが失禁をするのが見えた。


(そこまで怖かった?)


 考えてみれば、この世界に3D映像なんてないのかもしれない。震えて蹲るバロンを見下ろす。私の中の何かはまだこの男を許していないようだ。この男はシオンを脅した。

 今度は天幕の中全体を妄想魔法で真っ黒にしてマッチ棒の灯りで所々に照らした。顔を上げ辺りを確認するバロンの顔はまだハインツのままだが、鼻水と涙で汚れ歪んだ顔はハインツとはかけ離れていた。


(最後に特別なお姫様を出してあげる)


 仕上げにホラー仕様に変えた血まみれの珍獣姫数十体を男に這って行くように妄想魔法を展開した。バロンは迫りくる珍獣姫の恐怖から持っていた物を投げつけたりナイフを振り回したりした後、耐えられずに白目を剥いて気絶した。起きても攻撃ができないように念のために首から下部分を、土魔法を使いコンクリートで固め転がし妄想魔法をオフにした。


「なんだか想像の数倍上手く行ったわね」


 魔力を一気に消費、脱力感があるが悪者を捕らえたことで気分は悪くない。バロンが投げた物を拾うと魔石があった。


防音結界の魔石――防音の結界が施された魔石


 これを持っていたから外の護衛も気付かなかったのか。これは、どうやって解除するのだろう? 魔石の中の魔力を抜けばいいの? 魔力の抜き方が分からない。いろいろ試したが解除できなさそうなので、手に魔力を込め握り潰した。


ドドン

『握力を覚えました』


 握力? 脳筋のスキルが多いのは気のせい? 襲ってきたバロンの身体の自由も奪ったし、もう出て来ても安全だね。一応、辺りに誰か潜んでいないかを索敵で調べた後に何もない空間に笑顔で声を掛ける。


「シオン出てきて大丈夫だよ」

「エマ! わるいひとはどこ?」


 コンクリート詰めにされて床に転がっている男の姿を見て、シオンは小さな声で呟いた。


「ぜんぜんハインツさんとちがうよ」

「そうだね。シオンは大丈夫?」

「うん。ぼくはへいきだよ」


 シオンを優しく抱き上げ、表の警備に声を掛ける。


「スミマセーン。誰かいますか?」


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