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ある日、近所の少年と異世界に飛ばされて保護者になりました。  作者: トロ猫


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魔物の襲撃 前編

 魔物の襲撃と聞いて血の気がサーっと引く。


(魔物って絶対途中で見た可愛いリスとかじゃないよね)


 一旦、気を落ち着かせるために椅子に座るも……急激に手が冷たくなって行くのが分かった。ここは森の中なのに、今まで魔物や大きな動物が出なかったのがおかしかったんだ。実際、この世界の魔物は角の生えたウサギや緑のリスしか見たことがないのだけど、定番の襲ってくる魔物といえば……


(どれも物騒な魔物のイメージしかできない)


 どうすればいいのだろう? 天幕の中にこのままいるのが安全なのだろうけど、ここに魔物が中に入ってきたらどうしよう。自分の鼓動が早くなるのが分かる。

 ふと、シオンの手が頬に触れる。あぁ、そうだった。シオンがいるのだ。しっかりしないと。


「グモォォォォォォ」


 何かの雄叫び外から聞こえる。熊? 何か大きな魔物の声だ。痰が絡むような汚い音が天幕のすぐ外ですると、カルロスとディエゴが何かと戦う音がした。索敵で確認すると、二人の回りを素早い集団が囲んでいる。

 剣のぶつかる音が続く中、乱暴に天幕の入り口が開き緑っぽい肌色の耳の尖った子供が入ってきた。グギャグギャと叫びながら涎を垂らし、全く目の焦点が合っていないそれは心底気持ち悪かった。鑑定をすれば、これはゴブリンだと出てくる。


ノーネーム

年齢:六か月

種族:ゴブリン

体力3

スキル:投石、 棍棒、 悪食、繁殖


 顔もスキルも気持ち悪い。グヘッグヘッと口から出る呼吸の音がまるで汚い笑いを上げこちらを見下しているようだった。ほぼ裸のゴブリンの下半身は先ほどからから興奮状態だが、ミミズサイズなので特に精神的なダメージはない。でも、シオンにあんな汚物を見せたくない。シオンを背中に隠せば、ゴブリンが興奮しながらジャンプを始める。いろいろ揺れるからやめて欲しい。


ドドン

『殺気のレベルが上がりました』


 動物を殺す趣味はないけど、ゴブリンからひしひしと殺気が伝わってきたので集中して石弾ストーンバレットを頭に命中させる。地面に倒れたゴブリンは鑑定で死骸と出たのでお亡くなりになったようだ。魔法が一発で当たったのも驚きだけど、まさかその一発で死ぬとは思っていなかった。初めてこんなに大きな生き物、しかも二足歩行の動物の命を取ってしまったが不思議と罪悪感のようなものはない。精神耐性のおかげだろうか? それともゴブリンを敵と認定してから出たアドレナリンの所為だろうか? 背中に隠れ怯えるシオンの前に跪き、視線を合わせながらお願いをする。


「シオン。練習した安全空間セーフスペース、そこに隠れて欲しいの」

「エマは?」

「私はディエゴとカルロスの無事を確認してから戻ってくるから。もし私が戻らなくても外に出てくるのはロワーズ、レズリー、それかハインツやリリアがいる時だけよ。分かった?」


 シオンが言うには安全空間の中から外を確認することは可能らしい。安全空間をだいぶ使えるようになったが、今はまだシオンしか入れない程度の広さのみのスペースだ。今後は成長と共に中のスペースを広げることができるのではないかと思う。安全空間セーフスペースの中で待機することを素直に言うことを聞くと思っていたが、シオンが首を振りながら嫌がる。


「やだ。ぼくエマといたい」

「まだ安全空間の中にはシオンしか入れないでしょ。外は危ないから、お願いだから入っていて欲しいの」

「……わかった」


 シオンはトボトボと歩いて安全空間を発動、ふすまに入る前にこちらを振り向く。


「大丈夫だからね。ほら、チョコレートとオレンジジュース渡しておくね」


 シオンが安全空間に入りふすまを閉めると同時にスッと全てが消えた。何も見えない空間に笑顔で手を振る。絶対戻って来るからね。

 さて、行きたくないが外を確認するか。護衛の二人には中で待機しろと言われたが、天幕の中にゴブリンが入ってきたのだ。避難していても来るのなら、こちらから始末しに行くしかない。何かの命は奪いたくないが、その代償として私たちが餌食になるにならば……敵を倒すしかない。


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