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川渡り

歩いて行くと、大きな川が通路を塞ぐようにして流れている。

「どうやっていけばいいんだろう」

俺が考えていると、箱から例の電子音が聞こえてきた。

「今度は?」

「川を越えるに必要なのは、知力体力想像力」

「…後ろは壁だし、この川を乗り越えていかないと先には進めないって言うことか」

俺は、前に広がる川を見ながら言った。

「でも、どうやってわたるんだろう。ジャンプしても向こう側には届きそうにないよ」

彼女の言うとおり、対岸までは5メートルはありそうだ。

「周りに、お助けグッズとかって言うのはないか?」

俺たちが近くを探すと、ぼろいダンボール箱が出てきた。

「中身は、ヒモとハンマーと先が鍵状になっている鉄の棒、釘が数十本だね」

そのすぐ傍には、3メートルぐらいの丸太が5本転がっていた。

「コレを使って、向こうへ行けっていうことか」

俺はそう納得すると、すぐにどうやっていけるかを考えた。


「まずさ、向こうに行かないとどうにもならないし」

「この手錠のことも考えておかないといけないよ」

彼女に言われるまでもなく、30センチメートルほどしかない手錠のことも考慮に入れておく必要がある。

2人ばらばらだとどうにか行ける作戦もあるのだが、まとめていくということが制約になっている。

「丸太を組み合わせて、向こうへ行かれないかな」

彼女が俺に聞いた。

「鉄の棒がこっちに刺されば、出来る方法もあるけど」

「やってみようよ」

すぐに鉄の棒を持ってきて、ハンマーを俺に渡した。

「このあたり?」

川べりに近いところに、彼女は鉄の棒をおいた。

「じゃあ、垂直にして」

ハンマーを勢いよく振り下ろすと、やすやすと打ち込むことが出来た。

「地面に固定できたな。ヒモを鍵状のところでくくって……」

ほどけないようにしっかりと結び、少しきつめに引っ張ってみる。

「ほどけないね」

彼女が俺の手元を見ながら言う。

「こいつを丸太に結んで、丸太同士を釘で繋いでおけば、大丈夫だな」

俺は彼女を見ながら、提案すると、彼女は力強く頷いた。


しっかりと丸太とヒモを結ぶと、それから丸太同士を釘で確実に固定をした。

「これで向こうにわたれるんじゃないか?」

「やってみよう!」

向こう側に丸太をわたし、しっかり歩けるようになった。


川の轟音をすぐ足下で聞きながら、俺たちはどうにか滑らずに向こう岸にまでわたることが出来た。

「何とかいったぁ」

彼女はその場にへたり込んで、安堵の表情を見せた。

川は、相変わらず流れていたが、その水量は急に減っていて、小川のせせらぎ程度になっている。

「あの濁流は何だったんだ…」

「それよりも、先に行かないと」

彼女はすっくと立ち上がると、俺を引っ張って先に進み出した。

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