失敗
歩くと、再び分かれ道があった。
「分かれ道だよね」
看板が目の前にあり、今来ている道を除いて4つの方向に行くことができるようになっている。
看板には、時計回りにこう書かれていた。
彼女が一つづつ目を移していって読み上げる。
「10時になればこの道が良い。5時は一つだけ。8時は無限の彼方につながっている。9時は一周どこまでも」
そのとき、あの電子音が聞こえてきた。
「なんて?」
こんどは俺が読む。
「10/9/8/5、仲間はずれはよくないね」
「仲間はずれって、どういう意味で?」
「順番かな。ほら、10~8までは順番に小さくなってるだろ。でも5だけは離れてるだろ。だからこれが答えじゃないかな」
適当に考えたが、この時点では一番しっくりしていた。
「じゃ、5時の方向に進もう」
彼女は意気揚々とその道を進みだした。
しばらく歩くと、行き止まりになっていた。
「あれ…」
「間違ったのかな」
俺たちは今来た道を引き返そうとしたが、すでに壁がそこまで迫っていた。
「どうしよ…閉じ込められた!」
その時、最初に聞いたあの声が聞こえてきた。
「やれやれ、最初の間違いを犯してしまったようだね」
言うと同時に、立っていた地面が真っ黒に色が変わった。
同時に、何かに飲み込まれるような感覚が、足からじっくりと伝わってくる。
「君たちは間違いを犯してしまった。でも、僕は君たちがほしいわけじゃない。時間ならいくらでもあるんだから」
そう言っているのが聞こえてくると、彼女が俺の手を握ってきた。
「なにが始まったの?」
周りの地面がだんだんせりあがってくる。
「やり直しっていうことは、同じ問題か、まったく関係ないものかを再びやらされるんだろう。でもさ、大丈夫だと思うよ」
「なんで?」
いつもは元気な彼女だが、本当に怖がっているように見える。
「だってさ、俺たちはまだつながっているだろ」
俺がそういうと、彼女が笑った。
同時に、穴の中へ沈んでいった。




