部品
右の道を歩いていると、前に壁ができていた。
「どうするの?」
「俺に聞かれても困るさ」
後ろも壁、前も壁でどうしようもなくなったときに、再び電子音が鳴った。
彼女が、その音が聞こえるとほぼ同時に、箱を見た。
「紐を辿りて階段登り、空き地を探して鍵を見つける」
「またヒモかよ。しかも、階段を上れって?」
「そういうことみたいね。でも、あまり探す必要はないかも」
そう言って、彼女は前の通路を指差した。
銀色の長いヒモが俺たちの前に横たわっていた。
「…これか」
俺たちは、ヒモを見つけるとすぐにたどり始めた。
何分間も平たんな道を歩き続けていたが、左に90度曲がるように道が続いている。
紐も、その道なりに続いていた。
「ここを左…」
すると、階段が現れた。
「…端が見えないんだけど」
彼女に言われなくても分かっている。
遠くのほうが1点に集束して、どこまで階段が続いているのか見当がつかない。
「とにかくヒモをたどって行こう。俺たちがここから出ることができるのは、それしかないんだから」
俺が彼女に聞くと、しっかりとうなづき返した。
階段をひたすらに歩いていると、ところどころに休憩所のような感じで踊り場があった。
「空き地って、こんな感じなのかな」
「空き地というよりか、階段の途中にあるから踊り場というべきだろうな。多分、空き地って階段からわかれたところにあると思うんだ。それか、階段を登りきったところにあるか」
そう言っている間に、階段が2つに分かれ、右側のところに広い空き地と小さなテーブル、テーブルの上に乗っかっている小さな箱があった。
「…もしかして」
俺が思うよりも先に、彼女は俺とつながっている手錠を引っ張って、箱を見に行った。
「開くよ」
「ああ」
彼女が箱を開けると、小さな金属片が入っていた。
「これ何?」
「何かの部品みたいだな」
わっかとねじがひっついたような感じだ。
「手錠のカギの部品だったら、うれしいんだけどなー」
「そうかもな」
俺はそう言って、ポケットに入れて、再びヒモをたどり始めた。




