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二人
ひもは新しい壁の前にまで続いていた。
「ここで行き止まりかぁ」
「引き返すこともできないし、箱は?」
「まだ何も言ってこないよ」
彼女は、箱の残っている封印を見ながら言った。
俺は、壁にもたれている彼女のすぐ横に座り込む。
「何か言ってきたら教えてくれ」
「わかった」
ずっと静かなのも嫌いだったから、途中で思い切って彼女に聞いてみた。
「そういえば、名前とかって思い出した?」
「まだ。何で私がこんなところにいるかも分からないし」
「そうだよな、なんで、俺たちこんなところに送られたんだろうな」
彼女も横に座り、俺と一緒に話した。
「でもね、なんだか、ずいぶん昔から知っているような気がするの」
「俺のことをか?」
驚いて、聞き返した。
「そうそう。幼なじみって言うか、そんな感じなんだけど…」
「俺はそんな感じしないな」
しかし、なんとなくだが違和感があるような気もした。
その時、箱からいつもの音が聞こえてきた。
「なんだって?」
「二人は一人、一緒に行かずに出る事かなわず」
彼女がそう言うと、急に前の壁がスルスルと下に潜っていき、先にすすめるようになった。
「何だか知らないけど、俺たちは離れられないって言うことみたいだな」
「みたいだね」
彼女と一緒に立ち上がると、先を急いだ。




