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ひも

川を渡ってしばらくの間はずっと一本道だった。

その間、箱をいろいろいじってみたけど、どこも動きそうになかった。

「あと5か所に張られたものを外さなきゃならないんだね」

彼女は、箱を見ながら俺に言った。

「なんとかなるだろうさ。この迷宮から出ていかなきゃならないんだし。そのヒントがそれだって、最初の声も言ってたしな」

そう言いながらカチャカチャと手錠の鎖の音が通路の中を反響する。

「あと1枚外れれば、動きそうな場所はあるんだけどなぁ…」

彼女は、箱をじっと見て考え込んでいた。

その時、あの電子音が聞こえてきた。

「今回は?」

俺は慣れたように彼女へ振り返って聞いた。

「一つのひもはどこまでも、答えが一つと限らない」

再び前を見ると、壁があって、赤色や青色や黄色といった、色とりどりのひもが無数に壁から生えていた。

「…このうちの一つを引っ張れってか」

「そうみたいね」

彼女は箱を抱きかかえながら話した。

「じゃあ…」

言いながら、壁に近寄っていって、一掴み握って全部一気に引っ張った。

虹のように色とりどりのひもが、彼女の手によって引きずり出される。

とたんに、壁に生えていた糸がばらばらと崩れ落ちだし、彼女は2、3歩引いた。

5秒もしないうちに壁が崩れだし、道が開けた。


「次はこのヒモをたどってけって言うことか」

俺は、彼女が握っているヒモを目で追いかけながら言った。

崩れた壁の向こうには、まだまだひもがつながったままになっている。

「なんだか絨毯みたいだね」

彼女がそういうと、ひもは目の前で地面と一体化し始めた。

ただ、彼女が握っているヒモだけは、まだ、地上から顔を覗かしており、追いかけることができそうだ。

「なんだか急いだほうがよさそうだな」

そう思って、俺たちは、ひもの先をたどりだした。

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