ダンジョン
だんだん熱くなり衣替えの季節になりましたねー。
「あのー輝夫様」
「ん?どうした」
「お金が無くなりました」
「はぁー!どうしてお前金結構持ってたじゃん」
「実はこの前悪魔の手下と戦った時に馬車をほったらかしていたせいで、お金やその他もろもろを奪われてしまいました」
「えーじゃあ今後どうすんの?」
「仕方がありません節約のためにホテルのベッドを一つにしましょう」
「え?つまり」
「今後一緒に寝るということです」
「いやだーほかの考えて」
「仕方がありません、ならダンジョンに行ってお宝を取りましょう」
「え、この世界ってダンジョンあんの」
「はい、あります」
「よし、じゃあさっさと行こうぜ」
「はい」
二時間後
「ここがダンジョン?」
「はいダンジョンです」
「遊園地じゃねーかー」
「この世界のダンジョンはこんな感じですよ」
「こんな場所にお宝なんてなさそうだけど」
「お宝このダンジョンを攻略したらもらえます」
「こんな遊園地でどう攻略しろって言うんだよ」
「ダンジョンを攻略するの意味は、この世界ではここにある全ての乗り物を一日以内にすべて乗ることです」
「じゃあ意外と簡単に攻略できそうだな」
「そう簡単ではないのです。もし移動の時間と待ち時間をゼロにしたとしてもダンジョンの全ての乗り物を乗るのに必要な時間は二十五時間と言われているのです」
「え、なぁーこの世界の一日の時間って」
「二十四時間です」
「無理ゲーじゃねーか」
「いや、ちゃんと攻略した人と私は知り合いです」
「じゃあ攻略の方法は知ってるのか?」
「いいえ、知りませんがちゃんと攻略する方法があるということです」
「なんだよ正解が分かってたら楽勝だったのに」
「この門を通ったらスタートされます」
「じゃあさっさと通ろうぜ」
「はい」
俺は門を通った瞬間に気づいた。
『これデートみたいじゃねーか』
「ちょっとおっさん離れろ」
「良いじゃないですか、せっかくの初デートなんだし」
「キモイこと言うなよ!ウエなんか吐き気がしてきた」
「大丈夫ですか、そんなことよりまずは何に乗りますか」
「お前なんか楽しんでねーか」
「ま、まさかーお金のためですよ」
「だと良いんだが」
それから俺たちはそこらじゅうの乗り物を乗り続けた。
そして観覧車を乗っているとき。
「やっぱおっさん楽しんでるだろ」
「そんなことありませんよお金のためです」
「そんなこと言ったってもう時間がねーじゃんかよ」
「確かにあと四時間ぐらいで終わりですもんねー」
「おっさん、知り合いからなんかヒントとか聞いてないの」
「全く聞いていません」
「使えねーな」
「ま、輝夫様焦たって何も変わりませんよ」
「おっさんもう攻略方法気づいているだろ」
男神は自分の飲んでいるジュースを噴き出した。
「し、知りませんよー」
「そうか、じゃあなぜそんなにのんびりしている」
「それは先ほども言ったとうり焦たって何も変わらないからですよ」
「なぁおっさん、最近俺筋トレしたおかげである能力を手に入れたんだよ、その能力はうそを見破れる能力なんだ。だから今お前が嘘ついたことは全部分かっている」
「申し訳ございませんもう攻略方法は分かっています」
「え、まじでスゲーな」
「輝夫様?分かっていたんじゃ」
「そんな能力持ってないから」
「騙したんですね」
「お互い様だろ、てかなんでおっさんは嘘ついたの」
「少しでも長く輝夫様とデートがしたかったので」
「デートじゃねーし、てそんなことよりどうやってこのダンジョンを攻略するんだ」
「まず、このダンジョンには時計が一つしかありません。その時計をストップしたらいいのです」
「え?そんなことしたってなんも変わらねんじゃね」
「いや、実は私の知り合いからヒントは聞いていたのです」
「どんなヒントだ」
「一日を長くしたらいいと」
「だから時計ストップさせて一日の時間を延ばすと」
「その通りです」
「屁理屈じゃねーか」
「ダンジョンとは不思議な空間にあって、その空間は私たちの常識を大きく覆します。なので屁理屈もダンジョンだと通じるのです」
「いや、理由になってないし。まぁいいや、おっさんに任せる」
「はい、かしこまりました」
「で、どうやってその時計を止めるの、てかまずその時計ってどこにあるの」
「時計はあそこです、そして時計を止める方法は、時計の針に剣を刺したら止まります」
「て、時計めっちゃ高いところにあるじゃねーか、どうやって刺すの?」
「あの乗り物に乗りながら針に命中させます」
男神がさした乗り物は、【上から下に真っ逆さま走馬灯を見ること間違いなし世界一怖い絶叫マシーン】であった。
「なにその無駄に長くてダサい名前の乗り物」
「チャンスは二回、上るときと落ちるときです」
「すげー当てるのがむずそうだけど」
「私がちゃんと当てますのでご安心を」
その瞬間俺はこの前男神に助けられたときの光景思い出した。
『また俺はおっさん全部任せるのか?いや』
「俺がやるよ」
「し、しかしかなりの力を使うので」
「おっさん、まだこの前の背中の傷治ってないんだろ」
「は、はい」
「そんな状態で剣を思いっきり投げたら傷がまた開いちまうだろ」
「あら、輝夫様男神の傷は一分ぐらいで治るんですよ」
「え?」
「だから傷のことはもう心配しなくても大丈夫です」
「なんだよせっかく気を遣ってやったのに」
「ま、確かにこのぐらいのことができないと悪魔なんて倒せませんよね。」
男神は俺に剣を渡した。
「輝夫様お願いします」
俺たちは百二十分待ちの列に並び始めた。
百二十分後
「ふーやっと着いた」
「お願いしますよ」
「おう」
「安全ベルトをちゃんとつけてくださーい、それではしゅっぱーつ」
この乗り物が頂上まで行くために必要な時間は約二十分、そのうちの十五分後に時計の針を刺すチャンスがある。
もし上るときに投げられなくても落ちるときに投げることもできる。
そう男神は俺に何ども言った。
「さぁきましたよ十五分まで三・二・一・今です」
「怖い怖い怖い怖い怖い」
「輝夫様?」
「は!時間は」
「もう過ぎましたこうなったら落ちるときに投げるしかありません」
と、男神は言っているが、落ちるときのスピードは音速を超えると言われている。
つまりチャンスは二度ではなく一度であった。
「すまん、つい下を向いちまって怖くなっちまった」
「大丈夫です輝夫様ならできます」
「おうよ」
とその時俺の手が滑り剣を落とした。
「やべーぞ剣を落としちまった」
俺は頭を抱えた。
そして、気づけば頂上に着き落ちた。
すると俺の目の前に剣が現れた。
とにかく俺はその剣を取り、投げた。
しかもそれが時計の針に命中した。
「よしゃー」
「やりましたね」
「あ、やべー気が抜けると走馬灯見えてきた」
「さすが輝夫様です」
「おう」
『でも何で県が俺の前に現れたんだろ?ま、そんなことどうだっていっか』
なぜ俺の前に剣が現れたのか、からくりは簡単である。
剣の落ちるスピードより乗り物の方が早かったのです。
しかし俺が適当に投げて針に命中したのは、運が良かったのです。
「さぁあと少しの乗り物を全て乗りましょう」
「おっさんわくわくしてんだろ」
「ギクッ!」
「ギクッって自分で言うんだー、なんかそういうとこかわいいな」
「ありがとうございます」
それから俺たちは十時間かけて全ての乗り物を乗った。
「はーやっと一息つけるぜー」
「かなり疲れましたもんね」
「いやぁーすごいすごい」
「誰だ!」
「おっとこれは失礼、私はこのダンジョンを作ったものです」
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