表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

伍──誓い

一週間とか言って.....また少し遅れました。

申しわけございません。

むむむ、キャラに入るって難しいですね。

助言などあったら、ぜひ感想をください。

天を衝く摩天楼の最上階、煌びやかなお嬢様は今日も笑う。


「今日も素敵ですわね。」


彼女はグラスを手に取った。

柔和に光を反射する金色の長髪は腰まで靡き、純白のドレスはどこか儚い。


「貴方はどう思いますの?」


振り向く彼女はやがてその素顔を(あらわ)にする。

人形のような整った五官には、平凡とは違うものが一つ。

その耳は、少しばかり鋭い。

異形なはずのそれは、逆に彼女の品性引き上げた。

眩しいほどの笑顔は、まるで光が刺すかのようにも思えた。


「ねえ、聞いていますのよ?」


ああ、どうやら見蕩れてしまったようだ。

我ながら大変よろしくないと思う。

召使いである身としては、主人の要望を迅速に対応しなければならない。

数年前亡くなった爺がそんなことをよく言っていたのを思い出す。


「はい.....この街が、ですか」


何を言っているのだろう。

俺がみるこの街は、薄汚い。

自分の欲望に充実で、それを悪だと認める奴が多く存在する。

人間らしいといえばそうかもしれない、偽善者より百倍マシだと胸も張れる。

だが、それは決して素敵なものではない。


「僭越ながら申し上げますと、私はそうと思えません。」

「そう......残念ですわね、貴方には分からないのかしら。花は葉っぱの緑でさらに鮮やかに、ヒロインは配役の引き立てで美しく見えるのよ。」


お嬢様をさらに引き立てるもの、なのか。

だが、そんなものがなくとも、貴女は十分すぎるほど鮮やかだ。


「あら、そういう意味ではなくってよ。」


思わず口に出してしまったようだ、これでは執事の風上にも置けん。


「こんな場所だからこそ、宝石が目立って見えると思いますの。」

「宝石.....ですか。」

「ええ、誰もが夢見るような、素敵な殿方が、ですわよ。」


.......なるほど、彼女にも歳相応の願いがあるのだな。

どたんに湧いた心中のモヤモヤが、子供が成長した時の寂しさと、少しばかりの嫉妬だと気づくのに少し間が必要だった。


思えばあの時以来俺達はずっと一緒だ。

救ってくれた貴女は俺の光であり、俺は貴女の剣になると決めた。


「くれぐれも身の安全には気をつけてください。どうか、ご身分に合った行動を。」


本当はこんな危険場所に居てはならないのだが。

それでも、運命というものが貴女をここに繋ぎとどまるのなら。


「忘れないでください、貴女はブラッドリー家の長女である事を。」

「ええ、しかし、このタイミングで釘を刺すのは些か風情の欠けますわね。」


でも、そういう生真面目なところ、嫌いじゃないわ。


いつもそうやって微笑む貴女を。

例えどんな危険に晒されようと。

必ず守ってみせよう、この命にかえても。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ