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第4話 心に巣くう『悪魔』


 王子は、悪魔城と呼ばれる城の王座にゆっくりと腰かけ、左へ右へと華麗に舞う金髪の少女を見つめていました。


「悪魔――か」


 王子は、大きなモニターに写る美しいその少女を見つめながら、つまらなそうにつぶやきました。

 王子が治めるこの国の住人は、王子も含め、黒い髪に黒い瞳を持っています。そのため、民達は皆、金色の髪に青い瞳を持つホムンクルス達のことを『悪魔』と言い、恐れていたのです。

 もちろん、その姿形だけではなく、その異常な程の身体能力と慈悲じひの欠片もない行動が、『悪魔』と言われるようになった一番の理由でしょう。しかし、それも今となっては、金髪青目というだけで『悪魔』とされてしまっています。


「本当の『悪魔』はどこにいるんだろうなあ」


 王子は、兄姉のホムンクルスを傷つけないように戦う金髪の少女へ向けた視線を外せないまま呟きました。


「だって、あの娘は――あんなにも綺麗じゃないか」


 王子は、しばしの間目を閉じた後、そっとモニターの電源を切りました。王子は知っていました。一部の人によって決めつけられた固定観念は、払っても払っても付きまとってくるということを……。そして、そういった人々の中にこそ『悪魔』が住んでいることを――


「いや、そうだったね。本当の『悪魔』はこの僕だ。だって僕は――僕の理想のため、あの娘を壊すのだから」


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