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第五話:迫りくる陰……?

みなさまが応援してくれれるので、どんどん書くスピードが上がります!よかったら応援メッセージをお願いしますm(._.)m生きる活力になります!



もぐもぐ。


「楠木よ、醤油を取ってくれないか?」


もぐもぐ。


「ん。」


もぐもぐ。


「楠木さん、今日のお味はいかがですか〜?」


もぐもぐ。ごっくん。


「いつものようにすっごく美味しいです!」


「そうですか〜♪」


にぱ〜、と屈託のない笑顔を浮かべる鈴さんはどことなく幸せそうだ。


鈴さん、八重さんの『統べる者』になってから一週間が経った。それからというもの、食事は俺の部屋で皆で食べるようになった。鈴さんいわく


「皆で一緒に食べると当社比200%の美味しさになるんですよ〜。」


だそうだ。何故に当社比なのだろうか?


ちなみに現在は平日の朝ご飯の風景である。これから俺と八重さんは学校に登校しなければならない。……そろそろ行かないとまずいな。


「ごちそうさま!八重さん、そろそろ行きましょう!」


「わかった。鈴、今日も美味しかった。」


「お粗末さまです〜♪」

教科書が入ってるため、ずしりと重くなった鞄を手にとり部屋を出た。


「八重さん、外で待ってますね。」



「あぁ、すぐに準備をすませて行くよ。」






朝の山はとても静かだ。春独特の優しい風をうけた木たちが葉をざわめかす音ぐらいしか聞こえない。空を見た。どこまでも澄み切った青が果てしなく続いている。


「絶好の登校日和だな。」


数分ぐらい経ったあとだろうか、俺の待ち人がやってきた。


「すまない、待たせた。」


「いや、別にいいですよ。ちょうど考え事をしてましたから。」


「どんなことをだ?」


「いや、神無荘にはほかにも神様が住んでいるはずなのに全然見ないな〜って……。」


「見かけないのは当たり前だ。ここにはいないからな。」


「?それはどういうことなんですか?」


何やら得意げに八重さんは話してくれた。………八重さんって以外に子供っぽいところがあるなぁ〜と思いつつそれを聞いた。


つまるところ、残りの二人は修業に出ているためここにはいないらしい。なんで修業なのかを八重さんに尋ねてみると


「さあ?あの二人の行動は私にもわからないから」


だそうだ。


早くその二人にも会ってみたい。なんか楽しくなりそうだ。


「じゃあ、行きましょうか?」


「そうだな。」


俺と八重さんは仲良く並びながら学校に向かった。






登校中、ふとこんな疑問が浮かんだ。


「八重さんって、なんで生徒会自治本部長なんかやってるんですか?」


「うっ……。」


尋ねたとたん八重さんはばつの悪そうな顔をしながら


「そんなに聞きたいか……?」


と言ってきた。なんかまずいこと聞いちゃったなぁ〜と思ったので


「い、いや八重さんが言いにくいのならいいですよ?」


と、慌てて取り繕ったがその慌てぶりが面白かったのか、八重さんは笑いながら説明してくれた。


「どうせすぐにわかるんだし、まあいいか。この学校はな?生徒会自治本部長を決める『生徒会自治選挙』っていうのがあるんだが、珍しいことに立候補制ではなくて人気投票制なんだ。」


「人気投票制?」


「人気投票制ってのは各一人づつに配られる紙にこの人になら本部長を任せられるって思う人の名前を書いて、その中で1番人気の多い生徒が本部長に選ばれるんだ。」


「へぇ〜!つまり八重さんはこの学校の人気者なんですねッ!」


「ま、まあそういうことだ。」


頬を書きながら八重さんは照れていた。なかなかかわいいな。まぁ外見は大変よろしいし、性格もこんなに良いのだ。人気者になるのは当然だろう。







そんなこんなで学校に着き、玄関口で八重さんと別れた後、階段を上り自分のクラス、1ーAの中に入った。そして、友達に軽い挨拶をしながら自分の席についたところ、後ろから肩を叩かれた。


「ん?」


俺が振り向くと案の定そこにはあいつがいた。


「よお!」


「…………よぉ。」


ニコニコと笑っているこいつは、二階堂来栖にかいどうくるす身長は180センチはあり、髪は茶色に染めてて短めにしている。

入学式当日から仲良くなった奴だ。こいつの得意分野は情報戦で、入学してから一週間も経ってないのにお手製電子メモ帳『コンパックンB装備仕様』に全学年の生徒のプロフィールを入力したらしい。どうやら学校のデータサーバーをクラッキングして入手したようだ。…………………………こいつ捕まんないかな。


「何のようだ?」


来栖とか知っている男子の前では地の口調で話している。鈴さんとか、八重さんとか女子とかとはなるべく丁寧な口調で話しているのだが真面目な話をするとついついこの口調で話してしまう。気をつけてないと。


「あぁ。お前、あの治安部隊の隊長に目をつけられてるらしいぞ。」


「なんでだ?俺はなんもしてないぞ?」


恨みを買うようなことはしてないはずだ。おそらく、きっと、多分………。


「そこまではまだわかってないんだ、ごめんな!でも一応は気をつけといてな?」


「わかった。用心しとくよ。わざわざありがとな!」


俺の返事に満足したのか自分の席へと来栖は帰って行った。



……………嫌な予感がするのは気のせいだろうか(泣)?キ、キノセイダヨネー(汗)♪










しょーとすとーりー

「そのころの八重はというと」




「ねぇねぇ八重〜♪毎朝一緒に登校してる男子ってもしかして彼氏(笑)?」


「ち、ちがうっ!まだ彼氏ではないぞ!?」


「ふ〜ん……………『まだ』ねぇ(笑)。」


「い、いや!今のは言葉のあやだ!忘れてくれ!」


「わかったわかった♪でもその人のこと好きなんでしょ(笑)?」


「〜〜〜〜ッ!!…………う、うん。」


「八重って本当嘘つけないね(笑)」


「う、うるさいッ(泣)!」




いいように友達にいじられる八重であった。

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