第一話:神名荘へようこそ♪
誤字脱字があるかもしれませんが笑って見逃して下さい(泣)。。。。
俺の名前は楠木十拳
必死に勉強して地元で有名な進学校『天原高校』に合格し、今年から入学する。身長が178もある割には体重がなく、いわゆる『ひょろっこい』奴である。運動神経は体格に見合わずそこそこ良い。外見は友人がいうには『カッコイイ』部類にぎりぎり入るらしい。
まぁ自己紹介はこれで終わりにする。
俺は今『神名荘』の前にいる。
外観は和風の旅館みたいなアパートで敷地の周りがよく手入れされていて雑草が一つもない。
家賃がとっても高そうである。
なんであんなに格安だったのか不思議なぐらいだ。
しかしながらあらためて家賃が安い理由を考えてみると納得する。
ここから繁華街に行くには不便だ。
山を降りないといけない(ちなみに俺はここに下から30分かけてきた)。なんでこんな場所に建っているのか謎である。まぁそのおかげで俺はこの好条件な物件にありつけた。さっきの雑草がないぐらい手入れされているのはあくまでも敷地内だけであっていったん外にでると雑草の他に木がたくさん生えている。山の中だから当たり前かと俺は思った。
「まずは大家さんにあいさつしなきゃな〜。」
俺はアパートの玄関くぐり、中に入った。
「え〜っと大家さんの部屋はっと…………おっ!この部屋だな。」
その部屋は玄関に入ってすぐ目の前にあり、ご丁寧にもかわいい文字で『大家の部屋♪』と書いてあった。
「この字から察するに大家さんは若い女の人だ!やったね!大当り〜♪大家と恋愛出来るんじゃない!?まるで『めぞん○刻』みたいだよ〜!」
と俺はついついうれしくなってしまってそんな事を叫んでしまった。…………かなり恥ずかしい。き、気を取り直して大家さんに挨拶しますか!俺は大家さんの部屋のドアを三回ノックして
「すみませ〜ん!ここに住むことになりました楠木で〜す。挨拶に来ました〜!」
と大きな声で言った。すると奥から
「はいは〜い!ちょっと待って下さいね〜!」
とかわいらしい声が聞こえた。……よしっ。この瞬間俺は大家さんは絶対かわいい人だと確信しました。ドアが開くまで俺はまだ見ぬ大家さんとのラブラブ生活を思い描いていた。そう、ドアが開くまでは。…………………………えぇ。確かにかわいいですよ?髪形は茶色のセミロング、顔は10人中10人が
「あ、あの人かわいいっす!付き合いたいっす!!」
って言いそうなぐらいかわいい。
いわゆる絶世の美少女ってやつだ。
身長は160ぐらいで体形は痩せてるほう。
唯一文句をつけるとしたらその胸だろう。悲しいことにない。本当にペタ〜ってしている。まぁそれはともかく彼女にはおかしいところがある。耳だ。普通の耳だったら誰も気にしないが彼女のは明らかに変だ。猫耳なのである。それもどんな仕掛けで動いているのかわからんがぴょこぴょことかわいらしく動いている。この瞬間俺は悟った。彼女はアレ系でソレ好きな人種なんだと。写真に撮られるのを心待ちにしているんだと。
……うん、この人とはあまり関わらずにいこう。確かにかわいいけどアレ系なのはちょっと……。
「楠木さんですよね…?何かぶつぶつ言ってるようだけど大丈夫ですか?」
と彼女は猫耳をぴょこぴょこ動かしながら心配そうに尋ねてきたので
「あっ、大丈夫です。いつもどうりです。」
と俺は焦りながら聞きようによっては危ない人に見えるような答えをした。
「大家さん……ですよね?」
気を取り直して俺が彼女にそう尋ねると
「はい、そうですよ〜!私が大家の小玉鈴です!よろしくお願いしますね〜楠木さん♪」
と、くったくのない返事をしてくれた。
「楠木さんのお部屋は203号室です。案内しますのでついて来て下さいね。」
「はい。わかりました。」
大家さんについていくと『203号室』と書かれたプレートが付いているドアの前に着いた。
「この部屋が楠木さんの部屋です。」
と言って大家さんは中に案内してくれた。中はアパートの外見と違い新しい感じがしてとても綺麗だった。キッチンや風呂、トイレ等を確認したがどれも最新式で驚いた。これでよく家賃があんな値段なのかまた不思議に思った。交通に不便だという点を入れてももうちょっと高いはずだ、と。なので聞いてみた。
「大家さん、なんでここの家賃はあんなに安いんですか?設備が最新式ならもうちょっといきますよね?」
「えっとですね〜。設備とかは私の友人がただ同然の値段でくれたんですよ。だから家賃を高くしなくてもいいんですよね。」
と答えてくれた。……なるほど、それならこの値段で頷けると納得した。
「それはそうと、私の事は鈴って呼んでくれませんか?大家さんって言われるのはちょっと……。それに年齢も近いようですし。」
と言ってきたので
「はい。それじゃあこれからは鈴さんって呼ばしてもらいますね!」
と、快く承諾したら
「ありがとうございます♪」
と何ともかわいらしい笑顔で返事をしてくれた。
…………やばい、すごいかわいい!なんかもうアレ系だからとか関係なく惚れそう!よしっ、もうアレ系だからって関係なくいこう!ということで鈴さんフラグを立たせるため鈴さんと仲良くなることを決めた。まずは会話をいっぱいして友達関係になろう。最初はやっぱり猫耳の話題を振ってみるべきだろう?「鈴さんのその猫耳似合っててかわいいですね〜!」
と、何の気無しに言ってみた。すると
「!?これが見えるんですか!?」
とすっごい驚いていた。この反応を少し疑問に思ったが
「だってその猫耳目立ちますよ(笑)。見えない方がおかしなくらいです(笑)。」
と言い鈴さんのそのせわしなく動いている猫耳を触った。
「!?!?」
鈴さんがびくっとするとともに床に尻餅をついて
「ふにゃ〜ん……。耳は駄目ですぅ〜。」
と色っぽい声で俺に抗議してきた。この行動にやっぱりアレ系は無理かもと思いつつも
「なに猫耳少女になっているんですか(笑)?その猫耳は鈴さんとは繋がってないでしょうが(笑)。」と笑いながら言うと
「えっ?これ正真正銘私の耳ですよ?」
とこの美少女は阿保なことを抜かしてきてくれた。
「う〜、その目は信じてくれてませんね?…………仕方ありません、耳を見られた以上もう隠すことはありませんし。」
おもむろにその場に立つと鈴さんは目を閉じて手を使って変な印を結んだ。その瞬間部屋の中を光が覆い、眩しさから開放された俺が目を開けるとそこにいたのは体長が80ぐらいもある大きな猫だった。全身が茶色の綺麗な毛で覆われていて、しかも尻尾が7本あった。
「え〜っと……。もしかしてもしかしなくても貴方様は鈴さんであらせますか?」
と内心パニックになっている俺が目茶苦茶な語法で鈴さん(?)らしき大猫に尋ねた。すると
「はい、鈴ですよ♪」
と鈴さん猫バージョンが笑顔(?)で答えてくれた。
「もしかして他にも鈴さんみたいな人がこのアパートにいます……?」
と恐る恐る聞くと
「はい♪よくわかりましたね!私の他にも犬の神の八重ちゃんや狐の神の珠藻ちゃん、兎の神の白さんとかたくさんいますよ!」
といつのまにか人間バージョンに戻っていて答えてくれた。あぁ……なんか頭がくらくらするなんでだろ?と思いつつ俺はそのまま鈴さんに倒れながら気絶した。鈴さんは俺を優しく抱き留めて
「神気にやられちゃいましたか。まぁ神気に触れたのが最初なのだからしかたありませんね…。でも慣れてもらわないといけませんよ?楠木さんは私たちの正体を見破れる唯一の人間なんですから。それに私の耳を触りましたしね。初めてだったんですよ?耳を触られたのは……。」
と微笑みながら気絶している俺を横にしてくれた。そして窓の方に向きを変えまだ落ちていない夕焼け色になった日を嬉しそうな顔で見た後に気絶して横になっている俺の方に向き直り笑顔で
「神名荘へようこそ♪」
と言ったのであった。
次回からキャラを増やしていき本格的なラブコメにしていきたいと考えてます!