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ノーライフ・ライフ  作者: 黒留ハガネ
二章 蠢く者達
32/125

十二話 進歩

「最近こまごました仕事減ってませんかー?」

「いや?」

 新しく研究室に併設された殺風景な実験室でムスクマロイの状態・時間経過による劣化検証をしているとなにやらロザリーがおもむろに聞いてきた。

「気のせいだろ。アレだ、編纂が終わったからじゃないか?」

「そーいうんじゃないんですよ。なんかこう、あの、あれですあれ」

「分かるか」

 干したムスクマロイの葉が入った小瓶を棚から出しながらモニョモニョ言う。編纂が終わっても研究を再開したから仕事量はそれほど変わっていないはずだ。ロザリーはもどかしげにテレパスで曖昧な感覚を伝えてきたがただでさえ曖昧な情報がテレパスで更に曖昧になってさっぱり分からん。

 なんかもどかしさだけが伝わってきて俺までそわそわしてくる。なんだこれ鬱陶しい。

「忘れろ。こういうモンは思い出そうとすると全く掴めず忘れた頃にスルッと思い出す」

「気になって夜も眠れねーのです」

「お前ホンットいつまで経っても人間気分だな」

 無くした物は探すのを諦めて新しく買った直後に出てくる法則みたいなもんだ。この手の事には何か人間にはどうしようもない力が働いていると思った方がいい。

 前世でゲームソフトを無くした時の苦い思い出を思い出しながら俺は手を物質化させ、ムスクマロイの茎から煮沸抽出した薄緑の液体が入った小瓶をとって色を確かめた。ラベルを見ると三日前の日付が書かれている。

 あまり劣化してないように見えるな。煮沸したんだからこの緑色は葉緑素ではないだろう。十日前の物と比較すると若干色が

「それです!」

「のわっ! 馬鹿いきなり大声出すな馬鹿この馬鹿め!」

 ロザリーの大声に危うく瓶を取り落としそうになった。あっぶねーな!

「や、すみません。でも馬鹿言いすぎじゃーないですか? ……えーと、ロバさんが最近そーやってちょっとした事を魔法でやるよーになったじゃないですか」

「そういやそうだな」

「何から何まで私が物理干渉を代行する必要が無くなったから仕事が減ったように感じたんです」

「あー……なるほど」

 俺は納得して頷き、小瓶を棚に戻した。丁度魔法の効果時間が切れて手が消える。右手首から先が消失した状態だ。

「身体削って魔法使うのは嫌だったんじゃないですか?」

「すぐ戻せるようになったからなぁ」

 喋りながら魔力希釈で身体の魔力を薄め量を増やす。その増えた魔力を右手首に回し、ドッペルゲンガー技術の応用で右手を再現する。

 この間二秒ほど。うむ、随時とまあ早くなったもんだと自画自賛してみる。

「この通り」

「ほへー」

 ロザリーは感心してるのか溜め息なのか微妙な声色を出した。目を細めてじっと俺の手を見つめる。

 ドッペルレイスになってから熟練度の上昇が著しかった。約二年で最大魔力圧縮密度が1.0ほど伸びていってる。驚異的成長速度だ。

 比較対象が無いためはっきりしないがこれはドッペルゲンガーになった事が原因だろうと推測している。

 魔力操作は魔力体内操作から魔力固定に派生し、魔力圧縮と魔力希釈に至る。

 ドッペルゲンガーをマスターするには魔力固定は必須だし、身体の大きさが違うものに変身しようと思えば魔力希釈と圧縮もこなさなければならない。自分の身体を構成する魔力を操るのだから魔力体内操作も必要で、しかもそれは思い描いた姿を魔力で正確に再現する精密さを求められる。

 そりゃあこれだけやって魔力操作が巧くならなかったら詐欺だろう。

 魔力放出の伸びがイマイチなのは仕方ない。いやね、ドッペルゲンガー技術に魔力放出が必要ないのは勿論だが、戦闘しないなら別に魔力放出距離を伸ばす必要もないもんだから練習にも身が入らないんだ。研究に使うだけなら八ミールも伸ばせりゃ十分。有事に備えて磨いておいた方がいいってのは分かってるからチマチマやってはいるんだけどさ。

 魔法を使ってばかりだと魔力密度が下がる一方だが、薄まった分の魔力を純魔力で補充すると肉体が無いせいか純魔力が完全に形質魔力になるまで三日ほどかかり、なじむまで魔法が使いにくくなる。こまめに密度を戻すよりは魔法行使に必要な最低密度を割ってから戻した方が良い。

 そんな事を考えながらワキワキ手を動かしているとロザリーがぼそっと呟いた。

「えっちなのは駄目ですよー」

 ハァ?

「いきなり何を……ん? なんかデジャヴ……まあいいか。そりゃどういう意味だ」

「ロバさんも野郎ですからきっと夜な夜な理想の女の身体を物質化して鼻の下伸ばしてあんな事やそんな事を」

「やんねーよ」

 だからゴーストに性欲は無いと何度言えば。それに俺は健全な二百ウン十歳だから。色々超越してるから。悟ってるから。

「そーですか? ま、そーいう事にしときましょーか」

「今また新しい悟り開いた。ロザリー=ムカつく」

 最初はもっと素直な奴だったのに段々はっちゃけやがって、仮にも創造主にこの言い草。誰に似たんだ?

 しかしまあニマ~ッと笑っている所を見るに別に本心から言っているわけではないのだろう。ロザリーと俺は気の置けない上司と部下のような間柄だと俺は思っているし、ロザリーも多分そうだ。

 なんだかんだ言いながら俺は今の生活を気に入っていた。適度に張り合いがあり、無理なく働きほどほどに快適な日々。やっぱり人生腹七分目がベストだ。



 










 ムスクマロイの抽出液の経過観察を終えた俺達は魔力密度上昇実験に入った。

「ではこれより魔力放出限界距離を利用した形質魔力の純魔力変換を用いる魔力密度最大値上昇実験を行う」

「長ったらしかないですか?」

「俺もそう思った。名称公募」

「エマさんのロバさんによるシルさんのための実験その108、ドキッ☆ノーライフだらけの丸秘実験~グチャリもあるよ~、あたりですかねー」

「突っ込まねーぞ。……純魔力授受を用いた魔力密度上昇実験、にするか。すまんね毎度安直なネーミングで」

「やー、ロバさんのネーミングは安直ですけど分かりやすくていーと思いますよ。魔力放出限界距離を(中略)純魔力変換=純魔力授受って事ですよね?」

「イエス」

 本当はもっとクリエイティブな命名をしたいんだが仕方ない。俺の頭では既存の単語を単純にくっつけるしかできないんだ。

 今回の検証実験は例の形質魔力を純魔力に変える実験を利用したアレだ。成功すればゾンビが全員リッチになる。こりゃちょっとワクワクが止まらんね。

 現状里で最高密度の俺の魔力密度8.0をある程度魔力操作ができる者全員で共有できるようになる訳で、生来の魔力密度1.0、だろうが……なんだろうが……

 ……あー……

 なんか曖昧でいかんな。いい加減俺の主観ではなく客観性のある魔力密度計測手段が欲しい。魔力密度は人間の平均を1.0として俺が独断で感覚的に判断しているに過ぎないからどうしてもあやふやになる。正直誤差プラマイ0.3ぐらいは出ていると思う。

 正確な単位測定は科学でも物理でも経済でも基本中の基本だ。どこにそのへんのコップ使って目分量で科学実験する奴がいるんだって言うね。それは魔法でも同じだろう。

 よくファンタジーに魔力を測る器具があったりMPを数値化するシステムがあったりするが、あれってよくよく考えればとんでもなく便利だよなぁ。

 くそ、古代魔法文明の遺産とかなんとか言っちゃってオーバーテクノロジーなマジックアイテムの一つや二つゲットできればそれを足掛かりに研究を進められそうなもんだが、魔法の歴史は少なくとも確認されている限りではビルテファ王国が始まりで、都合よく過去に魔法文明が存在していたりはしない。

 俺達は一つ一つ手探りで地味に地道に研究を進めるしかないのだ。

 エマーリオが大体の方角を示してくれたお陰で五里霧中ってほどでもないのが幸いだがどうにもこうにも

「ロバさん? ロバさーん、死んでますかー」

「……んぁ? すまん考え事してた。んじゃまあちゃちゃっとやろうか、ホレ」

 ゴチャゴチャ考えるのは後回しにして、とりあえず密度8.0の魔力をバスケットボール程の大きさにして体から切り離した。宙に浮かぶ俺の魔力をロザリーが伸ばした魔力が獲物を補食する軟体動物のように包み込み、

「あ」

「げ」

 一瞬にして拡散した。

「えーとあの、すみません密度差ありすぎです」

「……それ以前に固定力が足りてないんじゃないか?」

「それはそーですけども、密度差がちーさければ私の固定力でもいけるかと。だいたい8.0って私の四倍じゃーないですか」

「悟空も界王拳三倍で体ガタガタになってたもんな。二倍の4.0いけるか?」

「多分なんとか」

 気を取り直してもう一度。

 俺が放出した魔力をロザリーがしっかり包み込んだのを確認し、一旦実験室の壁をすり抜けて外に出て十分距離をとってから戻る。

 そしてロザリーが確保した俺の魔力が純魔力になっているのを確認し、体内に取り込ませた。

 純魔力を体の中に入れたロザリーは途端にカマドウマを丸ごと喉に押し込まれたような顔になる。

「おい大丈夫か?」

「大丈夫に見えます? ……これ人間がやったら確実に吐きますよ……異物感が天元突破なんですが」

 ロザリーは口元を手で押さえてよろよろとその場に座り込んだ。

 無理もない。俺が魔力密度を上げる時は1.1倍にも満たない魔力しか取り込んでこなかったが、それでも気持ち悪さに散々悩まされた。密度二倍の魔力を取り込む不快感は想像を絶する。

 しかしそれを最長で三日も我慢すれば一気に魔力密度が二倍になる……見込み……なのだからやる価値はあるだろう。

 段々丘にあがったヒラメみたいな顔になりはじめたロザリーを見ていると流石に心配になってきたが、理論上は死にはしないはず。

 サンプルを増やすために他のゾンビ数体にも試すとして、ヴァンパイアには……任意でやってもらうか。特にシルフィアが今のロザリーのような状態になったら政務が滞る。

 で、打診しに行ってラキ以外に実験拒否されて戻ってきたらロザリーが正座して舌を出し片目を瞑りやっちゃったねテヘペロをしていた。

 ロザリーから感じられる魔力密度は2.0のみ。なにしてくれてんの?

「おい」

「はい」

「どういう事か説明してみろ」

「はい。あの、外の空気を吸いに外に出たらですね、目の前に蚊が飛んできたので叩き潰そうと一瞬集中切らしたらですね、魔力固定が乱れてですね」

「……おじゃんか」

「……はい」

 お前それはないだろ。開始一時間もしない内にやり直しか。

 俺が白けた目線を向けるとロザリーが口を尖らせて講義する。

「体調の悪さを理由にするつもりはありませんけどね、三日間ずーっと純魔力を逃がさないよーに魔力固定し続けるなんて無茶ですよ。徹夜は余裕ですが集中力が保ちません」

「俺はできるぞ」

「そりゃロバさんは必要に駆られて本能レベルで魔力固定身に付けてますから簡単でしょうよ」

「うーむ……」

 単にロザリーの集中力が低いのかロザリーの言う通り俺が特別なのか判断しかねる。

 とりあえず二倍から一・五に下げてもう一度トライさせつつ他のゾンビにも試させよう、と考えをまとめた所で実験室の戸がノックされた。誰だ?

「開いてるぞ」

「し、失礼します……」

 ラキだった。ラキには密度8.0の魔力を渡していたはずだがどう見てもデフォルト密度に戻っている。

 まさか、というかやっぱりというか。

 ラキは上目遣いに俺を見上げてモジモジしながら言った。

「あ、あのですね、書類整理に没頭していたらですね、いつの間にか、あの、魔力固定が切れててですね、なんだか気持ち悪さがなくなってるなぁ、と思っていたらですね」

 お前もか。

 魔力固定が習慣付いていないとこの実験は難しい事が分かったので、日々をシルフィアの雑用に追われどうしても意識が乱れるラキには今回の実験参加は見送りとした。いずれ呼吸するように魔力固定ができるようになってからリトライしてもらう。

 一方ロザリーは特に俺の助手以外にやるべき事もないので実験を継続させる。要は気が散る要素を排除すれば良いのだ。

 俺はロザリーに全身全霊で三日間魔力固定を維持するよう「命令」し、実験室の隅でひたすら待機させた。夜な夜な行われているラキとのガールズトークも禁止。

 命令すればそれを忠実に実行するのがゾンビの特性だ。ロザリーは実験室の隅で丸三日彫像のように微動だにせず大人しくしていた。やらせておいてなんだが普段軽口叩いているだけあり相当不気味だった。あまり見たい光景ではない。

 とにかく三日経過し、純魔力は無事ロザリーの形質魔力に変換された。感じられる魔力密度は3.0、ここまでは成功。

 命令を遂行したロザリーが動き出す。大きく伸びをしてこれ見よがしに欠伸をかます。

「ああやっと解放される。退屈でしたー」

「ほー? 命令しても退屈さは感じるのか」

「そりゃーそーですよ。ゾンビも時間の感覚は人間と同じですから」

「なるほど。途中で音を上げるかと思ったんだが」

「え、なぜですか?」

「……いや、いい。忘れてくれ」

「はぁ」

 心底不思議そうな顔をするロザリーに少し寒気を覚えた。ゾンビは命令された事に疑問を持たず、遂行するのが当然だから遂行する。それに対して感想は抱くが、遂行しない、途中で辞めるという発想は出てこないのだ。

 なんという完璧な洗脳……いや今更過ぎるか。

「ではロザリー、魔力を空に」

「いいですとも」

 俺の言葉でロザリーは自身の魔力を全て捨て、一度保有魔力を空にした。ロザリーは糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ち、数分で再起動する。

「これで一晩経てば回復したロザリーのデフォルト魔力密度が3.0になってる訳だ」

「私、魔力密度が3.0になったら結婚するんだ……」

「誰と」

「エルさ……ロバさんと」

「危なかったな、冗談でも言い切ったら多分殺されてたぞ」

「心臓止まりかけました」

 ぐだぐた喋りながらロザリーの魔力回復を待つ時間を使って今回の実験についての資料をまとめる。

 やがて出来上がった結果の欄だけ空白の資料から目を離してロザリーを見ると、回復途中のため魔力量は少ないがどう見ても密度が2.0です本当にありがとうございました。

「ロバさん……この実験は失ぱ」

「いや待て。一応魔力が完全回復するまで様子を見る。もしかすると一度2.0で回復しきってから3.0に密度が上がるのかも知れん」

「希望的観測ですねー。有り得ないと思いますよ私は」

「可能性はある。低いけどな。それに俺が認識できていないだけで2.05ぐらいに上がってるのかも知れん。3.0の形質魔力を一度獲得しただけで一気に3.0になると考えるのは安直に過ぎる。あるいは3.0の魔力を体に宿す時間が短かかったという事も考えられる。考えられる事は片端から試すぞ。諦めたらそこで実験終了だ」

「アイ・サー」

 そんなやり取りの後数ヶ月かけて検証実験を行い、しかし結局軒並み失敗という悲劇。やるせなし。

 ロザリー以外のゾンビも、つまりゾンビという種族はデフォルト密度上昇不可能という事が発覚した。ヴァンパイアは不明、他のノーライフ族も人間も不明。その内実験してみたい。

 魔力授受で一時的に魔力密度が上がっても、魔力を消費して回復するとデフォに戻る。レイスも減少した魔力密度は能動的に回復しなければならないのだから、個々の最大魔力密度突破は種族問わず一時的なものに限定されるようだ。いやドッペルレイスとゾンビしか検証してないんだけども。

 最大魔力密度の恒久上昇は魔力の法則的に不可能なんだろうか? やり方が拙いだけか? 別のアプローチから行かないと駄目なのか?

 ドッペルレイスもゾンビも駄目なのだから少なくとも肉体の有無が直接的にデフォルト密度の上昇可否を決定付けているわけではなさそうだが、そもそもなぜ同一種族(人間)で密度差があるのか分からない。生まれた日にちか、気象か、地理か、遺伝子か、その複合か、それらとは全く違う何かか。

 如何にして魔力密度が決定されるかもわかっていないのに魔力密度を上げようとするのは非効率的かも知れない。しかし凡才である所の俺達には少ない情報から理論を構築する能力が欠けている。だから実験の数を増やしてサンプルを揃え、そこから方向性を推測していくしかない。

 魔力の神秘の探求は亀の歩みになりそうだった。



 研究成果を羅列するだけではなく研究風景を軽く描写してみたら文章量二倍強で内容三分の一になった。執筆時間は三倍。予定していた話数がばんばか増えていく


 ロバートが強くなってきました。魔力密度8.0ですが体の体積の半分までしか使えないので限界使用MP量でみれば魔力密度4.0の人間と同程度。ドッペルレイスのメリットデメリットを考えれば個人の戦力的には平均的な魔法使いを多少上回る程度でしょうか? 勿論配下のノーライフ軍団を使えばもっといきますが。


2011/8/24 追記

純魔力授受ですが、形質魔力を使って間接的に大気魔力を圧縮できるので(一章・十二話参照)別に形質魔力を遠ざけて純魔力にして、という手順を踏む必要はない事に気付いた。圧縮の手間は省けますけど。

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