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黒の悪魔が死ぬまで。  作者: 曖 みいあ
第二章:新しい世界
30/72

三者三様な隊長

*挿絵があります。

 文章のみで楽しみたい方は、お手数ですが非表示にしていただければと思います。


「うーん、申し訳ないんだけど…。俺は、”アオ兄”じゃ…ないよ?」



そう言って笑う…目の前にいる、この男は…一体、誰だろう?

俺は、その全く馴染みのない人物を…じっと、観察してみた。



歳は…20歳半ば、くらいだろうか。

色素の薄い、白のような、銀のような髪は…無造作にハネていて。

ニコニコと、人懐っこい笑顔で、こちらを見ている。


そして…やたらと、”真っ黒な”軍服を、着ていて。

ホワイトノーブルの軍服に、形は似ているけど…

でも、その色は、全く違う。そんな、真っ黒な軍服を、何だかラフな感じで、着こなしていた。



こうやって、じっくりと観察してみても…



(知らない…人だ…。)



そして…



「そういうことじゃないでしょ。誰も、ノヴァン隊長のこと…アオバ君だなんて、思いませんよ。」


やれやれ…とため息を吐き、


「ヨウ君…ですよね。こんな状態で…すみません。」


申し訳無さそうに、俺の椅子の左前に立つ人物。この人も…



(やっぱり…知らない人、だ…。)



歳は…20歳前後だろう。さっきのツンツン頭…ノヴァン…と呼ばれていた人よりは、絶対に若い。

身体も、ムキムキなノヴァンに比べて、この人は、華奢な感じで。ぱっと見…女の人、みたいだった。


髪はサラサラで、少し長めで…青みがかった黒色。黒縁の眼鏡を掛けていて…

…その雰囲気は、どことなく…アオ兄に、似ている。


挿絵(By みてみん)


そして彼もまた、ノヴァンと同じ、真っ黒な軍服を。

ただし、ノヴァンと違って、”ピシッ”と、着こなしていた。



「あ、あのっ…「まったく、サクったら〜、簡単に謝ってんじゃないわよ〜!」



俺の発言は、右奥の扉から突然現れた…華やかなお姉さんに、遮られた。


突然現れた彼女も…やっぱり、真っ黒の軍服を着ている…んだけど…



…目のやり場に、困る…着こなし方だ。



挿絵(By みてみん)



俺は、ピンク色の髪をなびかせ、陽気に話すお姉さんを、直視できなくて。パッと下を向く。



「サ〜ク〜ヤ〜。あんたねぇ!それでもアタシと同じ、”深淵の黒色隊=ブラックアビス”の隊長なのぉ〜!?」




「…ハナ。お前は昼間っから…酒瓶片手に、何やってんだ…。」


「遅れて来たと思ったら…。ハナさん、酔いが覚めるまで、出てってください。」



ハナ、という女の人の…おもに胸元から。目をそらしている間に。


彼女は、ノヴァンとサクヤと呼ばれた2人に押し出され、

入ってきた扉から…あっという間に、外に追いやられたみたいだった。






「あ、あのっ…!ここは…。」



2人が、ほっと一息ついた時を見計らって。

俺は、さっき遮られた言葉を、もう一度投げかけてみる。


どう、声をかけたらいいのか…迷ったけど。

ひとまず、優しそうな…サクヤという人に向けて、話しかけてみた。



「俺は…。ア、アオ兄は…みんなは…どこに…?」



そう、アオ兄…!

この人たち…、さっき、俺と…アオ兄の名前を、言っていた。



だったら…



「アオ兄はっ、どこですか?!」



俺は、必死になって。いまだに姿の見えない、

意識を失うその時まで…すぐ近くにいた、大切な兄弟のことを、質問した。



「アオバ君のこと…。そして、ヨウ君。君自身のことも。

私達は…話し合う必要があります。ですが、今は…



…こんな状態で。本当に…すみません。」



サクヤ…という人は、また、俺に謝った。




(こんな…状態?)



改めて、俺は…今の自分の状況を、確認…してみる。



「…えっ?」



木の椅子に、座らされている、俺の…



…両方の手足は、何故か…椅子に、ガッチリと固定されていて。


身動きが…全く取れない状態だった。



「な、なんで…!?」


拘束…されて。

これから、自分の身に…何が、起こるのか。




「まぁ。”簡単に”言えば…選択肢は2つ、だな!




…”生きる”か、”死ぬか”だ。」




正面に座る男…ノヴァンは、そう言って。




「お前に…選ばせてやるよ!」




…嬉しそうに、そう、言った。





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